資本の原始的蓄積(読み)しほんのげんしてきちくせき

改訂新版 世界大百科事典 「資本の原始的蓄積」の意味・わかりやすい解説

資本の原始的蓄積 (しほんのげんしてきちくせき)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の資本の原始的蓄積の言及

【原始的蓄積】より

…しかもその過程は,一方に生産手段を集中的に所有する資本家と,他方に労働力以外になにものをももたない無産労働者とを,社会的規模でまったくあらたに創造する過程であり,したがって,なんらかの仕方で(ときには暴力的に)生産者と生産手段(主として土地)との共同体的結合関係を断ちきる歴史的過程であった。そこで,このような歴史的資本蓄積を,資本主義的生産確立後の一般的蓄積と区別して,資本の原始的蓄積と呼ぶ。 歴史的には原始的蓄積は多かれ少なかれどの国にもみられるが,それが最も典型的にあらわれたのはイギリスであった。…

【私有財産制】より

…というのは,市場経済の形成過程とは確かに一面では封建的土地所有と農奴制の解体を伴うが,これは同時に土地を剝奪された農民や小生産者が賃労働者へと転化する過程だからである。こうして一方に生産手段の所有者たる資本家,他方に無産者たる労働者が創出されるが,この過程が〈資本の本源的蓄積〉ないし〈資本の原始的蓄積〉と呼ばれるものである。近代社会の私有財産制度は事実上はこのような過程を経て形成されたのであり,この側面から見れば,先に述べた自由な経済主体の自由交換という市場の理解はあくまで資本家をモデルとした一つの理念にすぎず,実際には市場経済(資本主義経済)とは私有財産制を軸に新たに編成された階級社会とも考えられる。…

※「資本の原始的蓄積」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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