…七つ目の山脈の外方,須弥山の四方にあたって,大陸(洲)が一つずつ存在する。東の勝身(しようしん)洲は半月形,南の贍部(せんぶ)洲は台形,西の牛貨(ごか)洲は円形,北の俱盧(くる)洲は正方形である。南の贍部洲が〈われわれ〉人類の住む大陸である。…
…仏教宇宙観にあらわれる洲(大陸)の名称。贍部洲(せんぶしゆう)ともいう。サンスクリットjambudvīpa。…
…金輪の上に大海があり,その中央にそびえたつのが須弥山である。須弥山は七つの同心状の山脈に囲まれ,七つ目の山脈の外側の東西南北方向にそれぞれ勝身(しようしん)洲,贍部(せんぶ)洲(閻浮提(えんぶだい)),牛貨(ごけ)洲,俱盧(くる)洲がある。南の贍部洲はインド亜大陸の形を反映しているが,これが〈われわれの〉住む大陸とされる。…
…1669年パリ天文台長としてイタリアから招かれた天文学者G.D.カッシニとその子孫の測地学・地図学への貢献は大きく,1793年に完成した8万6400分の1フランス全域図(全182葉)は,三角測量による精密な地形図で,その後の先進諸国の官製地図に大きな影響を及ぼし,現在に続く〈大縮尺図時代〉を到来させることとなった。
[インド,中国]
アジアにおいて早くまとまりのある世界像を構想したのはインド人で,バラモン教の説くところによれば,世界の中央にジャンブトゥビーパ(贍部洲(せんぶしゆう))と呼ばれる円形の大陸があり,その中心にそびえる巨大なメール山は,その上空を回る太陽の光を遮って地上に昼夜をつくり,この山の南北にはそれぞれ3条の東西方向の山脈があって,最南の山脈がヒマラヤ(雪の蔵)だとされている。インド(バーラタバルシャ)は当然ヒマラヤ山脈の南方ということになるが,南に弧をもつ弦月形の部分をインドとするのは,デカン半島の輪郭を知っていたからであろう。…
※「贍部洲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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