…桃山~江戸時代初期の画家。名は信春(しんしゆん),又四郎,帯刀(たてわき)など。能登国七尾の生れで,染色業者長谷川宗清の養子となり,画事を養父に習った。宗清は能登地方に伝わった雪舟流の画法,とりわけ等春(とうしゆん)の系脈に連なり,信春も初めは等春風の水墨画を描いたと推定される。長谷川家は法華宗で能登における菩提寺は本延寺。その関係で,法華関係の仏画,肖像画などを多く手がけた。能登地方に現存する信春の画跡には《日乗上人像》(妙成寺),《日蓮上人像》(大法寺),《十二天像》(正覚院),《達磨図》(竜門寺),《十六羅漢図》(霊泉寺),《涅槃(ねはん)図》(妙成寺)などがあり,すでに20歳代で絵仏師としても水墨画家としても,一地方画家の限界を超える力量を見せている。…
※「長谷川信春」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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