鞘翅(読み)さやばね

精選版 日本国語大辞典 「鞘翅」の意味・読み・例文・類語

さや‐ばね【鞘翅】

〘名〙 甲虫類背面をおおう前ばね。キチン化して硬く、飛ぶためよりも体を保護する役割をもつ。ししょう。

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世界大百科事典(旧版)内の鞘翅の言及

【甲】より

…化学成分は種によって異なるが,たとえば硬い甲をもつザリガニではキチン約34%,炭酸カルシウム約47%,リン酸塩約18%で,青,赤,黒色素を有する。また昆虫綱甲虫目は,その前翅(ぜんし)が厚肥し革質の鞘翅(さやばね)となるが,これも俗には甲と呼ばれる。 軟体動物門頭足綱のコウイカ科のイカ類には,背面の外套(胴)に包まれる石灰質の支持構造があり,甲cuttleboneと呼ばれる。…

【昆虫】より

…2対の翅はときに前後形を異にし,バッタやカマキリでは前翅が硬化し,使用していないときは,その下にたたまれた膜質の後翅を覆っている。この傾向をおし進めたのが甲虫類で,その前翅は硬い革質の鞘翅(しようし)となって体を保護している。別の特化として双翅目では後翅を微小な平均棍(こん)に変えてしまった。…

※「鞘翅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」