風刺詩(読み)フウシシ

デジタル大辞泉 「風刺詩」の意味・読み・例文・類語

ふうしし【風刺詩】

原題、〈ラテンSatirae》古代ローマの詩人ホラティウス詩集。全2巻。第1巻は紀元前35年、第2巻は紀元前30年発表。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の風刺詩の言及

【風刺】より

…神にささげるために,いろいろな果物を盛った皿のことで,〈混合物〉の意に転じ,さらに〈人間の愚行をからかうため,異なった種類の主題を雑然と扱った詩〉の意味になったという。これでわかるように元来は詩の形で書かれたものを指し,芸術的完成をもった最初のsatira(風刺詩)は,前2世紀のG.ルキリウスによって書かれた。これは同時代の風俗を雑然とからかったものではなく,人間性そのものに対する鋭い洞察を含んだものであった。…

【ルキリウス】より

…ローマの風刺詩人。ラティウム地方の町スエッサ・アウルンカの裕福な市民の家に生まれた。…

【アリオスト】より

…17年,枢機卿から新たな任地ハンガリーのブダへの同行を求められたが,アリオストはこの〈命令〉を拒否し,職を辞した。7編の書簡体による韻文《風刺詩Satire》(1517‐25)が,この時期の詩人の満たされぬ胸の内を証言している。ついでアリオストは,文学者としての経歴と才を見込まれ,エステ家のアルフォンソ大公に仕えた。…

【ラテン文学】より

…これらのうちで現存するのは,プラウトゥス21編,テレンティウス6編の喜劇だけである。詩にはこのほかエンニウスの始めた風刺詩があり,ルキリウスはこのジャンルに専念して事実上の創始者になった。散文には大カトーの歴史書と百科全書的著作があり,一部現存する。…

※「風刺詩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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