日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬乗袴」の意味・わかりやすい解説
馬乗袴
うまのりばかま
襠有(まちあり)袴ともいう。紋付羽織と組み合わせて、男子の礼装に使用する袴。布地は仙台平(せんだいひら)、夏には絽(ろ)を用いる。片足は後ろ布、刳(くり)のある後ろ襠と前襠、奥布、脇(わき)布とによって構成され、前は足の甲がつかえず足さばきのよいように5~6センチメートルの切上げをつける。後ろは後ろ幅の位置から後ろ襠まで、前は脇布、奥布の間で自然に斜めになるように切上げをつける。襠布の用い方によって、十布遣襠有袴、半十布遣襠有袴、八布半遣襠有袴、八布遣襠有袴などがある。普通の体型には八布半遣襠有袴、肥満体には十布遣襠有袴が使用される。近年は形よくはきよい袴として、半十布遣襠有袴が主として用いられている。
[藤本やす]