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鳥毛立女屛風 とりげりつじょのびょうぶ

世界大百科事典 第2版の解説

とりげりつじょのびょうぶ【鳥毛立女屛風】

8世紀中ごろに描かれた正倉院伝来の数少ない画屛風。遠く中東からアジア全域に伝わる〈樹下美人図〉を立像と座像3扇ずつ6扇に描いている。衣服の部分に当初貼付(ちようふ)されていたヤマドリなどの羽毛はほとんど剝落したが,幸い顔容には補筆も少なく,その豊麗な表情には盛唐文化の影響のもとに国際的な芸術様式の一翼を担った天平文化の息吹が感じられる。正倉院蔵。【須藤 弘敏】

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世界大百科事典内の鳥毛立女屛風の言及

【生命の樹】より

…すでに前3千年紀のスーサ出土の円筒印章には動物を伴った樹木文様や,樹下に聖獣を配したものがある。聖獣のかわりに女神を配したものは,いわゆる〈樹下美人図〉と呼ばれる文様で,正倉院の《鳥毛立女屛風(とりげりつじよのびようぶ)》は有名である。このモティーフはイランのハオマの豊穣の女神アナーヒターとの結びつきから生じている。…

【奈良時代美術】より

華厳経美術
[正倉院の絵画]
 正倉院には菩薩像を描いた絹絵彩色幡や,麻布に力強い墨線で闊達に描いた《麻布菩薩像》などがあるが,東大寺大仏開眼会などに用いられたものである。《東大寺献物帳》によれば,正倉院には仏画のほかに各種の山水画や世俗画があったことが知られるが,遺存するもので有名なものに《鳥毛立女屛風(とりげりつじよのびようぶ)》が六扇そろっている。貼り付けられていた羽毛はほとんど剝げ落ちているが,唐朝風婦人の肉色には彩色が施され,柔らかな細線描写の下描きの素描がおおまかに墨描されており,西域画にみられる樹下美人図形式を踏襲している。…

※「鳥毛立女屛風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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