PPAP(読み)ぴーぴーえーぴー(英語表記)PPAP

知恵蔵 「PPAP」の解説

PPAP

自称千葉県出身、1963年7月17日生まれのシンガーソングライター「ピコ太郎」が、ピコピコというレトロな電子音の旋律に乗せて、歌って踊る動画。2016年8月に動画投稿サイト、YouTubeで公開されて以降、米欧アジアアフリカなど世界中で注目されている。10月には、米ビルボード誌の「THE HOT 100」で77位となり、日本人としては、1990年の松田聖子(54位)以来、26年ぶりのチャートインを果たした。また後に、同チャートに入った最も短い曲(音楽部分のみで45秒)としてギネス世界記録認定された。動画は、YouTubeの週間再生回数ランキングで、16年9月末から3週連続で世界1位を獲得し、総再生回数は、10月末時点で、世界で4億5000万回を超えている。
16年には、その年の世相を顕著に表した言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選『ユーキャン新語・流行語大賞』」のトップ10や、1年間にインターネット上で最も流行した言葉を選ぶ「ネット流行語大賞」の「金賞」に選ばれたほか、「第58回日本レコード大賞」の「特別話題賞」、「第49回日本有線大賞」の「有線話題賞」を受賞した。
動画では、派手なパイソン柄の衣装サングラスパンチパーマと独特ないでたちのピコ太郎が、軽快なステップを踏みながら、「ペン」「アップル」「パイナップル」のほぼ3語を組み合わせて歌う。プロデュースは青森市出身のお笑い芸人、古坂大魔王(1973年7月17日生まれ)がしており、りんごを食べながら作曲している際に、近くにペンとパイナップルの缶詰があったことから生まれた曲だという。ピコ太郎は「スタジオを借りて、6時間で20曲撮った(うちの1曲)。もともと10万円で借りた」と明かしている。
ピコ太郎によると、動画は当初、日本の中高生の間で話題となった。その後、海外の動画サイト「9GAG」に取り上げられ、1日の再生回数が1000万回を超える。そして16年9月末に世界的に有名なカナダ人歌手、ジャスティン・ビーバーが自身のTwitterで「お気に入りの動画」と紹介したことで世界各地に広まり、再生回数が急上昇。同時期に米CNNなど海外の大手メディアやウェブメディアなどでも相次いで取り上げられ、10月7日には「PPAP」など4曲を米、英、中国など世界134の国・地域に配信した。ピコ太郎はこれらの現象について「ミラクルが2万回起こったと思っている」と話している。更に16年12月7日、「PPAP」やそのアンサーソング「カナブンブーンデモエビインビン」など25曲を収録したファースト・アルバム「PPAP」を発売した。
世界的な大ヒットの理由として、音楽部分を含めた動画全体の長さが1分8秒(ショート・バージョン)と短めなことや、ピコ太郎の見た目のインパクト、動画全体に漂うコミカルな雰囲気などが挙げられている。
また、まねしやすく、パロディーが作りやすいのも特徴で、16年11月現在、非公式なものを含めたリミックス動画など関連動画は7万件以上あり、再生回数は5億回に達したといわれている。11月の米大統領選挙で当選した共和党、ドナルド・トランプの孫娘がPPAPを歌う姿も投稿され、話題を呼んだ。

(南 文枝 ライター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「PPAP」の解説

PPAP

自称“千葉県出身のシンガーソングライター「ピコ太郎」(53歳)”によるリズム曲「ペンパイナッポーアッポーペン」の略称・通称。金色ヒョウ柄の衣装にパンチパーマのピコ太郎が、リンゴにペンを刺し(Apple Pen)、次にパイナップルにペンを刺し(Pineapple Pen)、その二つを合わせて「Pen Pineapple Apple pen」とする様をユーモラスにプレーする。2016年8月25日、1分8秒の動画がYouTubeに投稿され、ミュージシャンのジャスティン・ビーバー他がTwitterで紹介するなどして全世界的なヒットとなった。この動画は同年9月30日~10月6日集計のYouTube週間再生回数ランキングで世界一となり、同10月13日現在の再生回数は4200万回以上となっている。他にカバー・パロディ動画も増えており、関連動画は3万6000件を超えるという。同年10月7日には、世界134カ国で「PPAP」を含めた4曲が配信限定で同時リリースされた。

(2016-10-13)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「PPAP」の解説

PPAP

日本のポピュラー音楽。正題「ペンパイナッポーアッポーペン(Pen-Pineapple-Apple-Pen)」。歌はシンガーソングライターのピコ太郎(お笑いタレント、古坂(こさか)大魔王の別名義)。2016年8月、動画サイトYouTubeに発表。カナダの人気ミューシャン、ジャスティン・ビーバーがお気に入り動画として紹介したことなどから人気に火がつき、同年10月、世界134か国で配信開始。アメリカの音楽チャート、ビルボードHOT100で初登場77位を記録、同チャートにランクインした世界最短曲(45秒)としてギネス世界記録に認定。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android