世界大百科事典(旧版)内のElymaïsの言及
【イラン美術】より
…その特色は,正面観描写,硬直した姿勢,線描主体,外観を微細克明に再現する〈真実主義〉に代表される。このようなパルティア様式の美術はイラン南部のエリマイスElymaïs(エリマイドElymaïde)王国の磨崖浮彫やイラク北部のハトラ出土の彫刻にみられる。これらは多かれ少なかれ,パルティアの宮廷様式を反映したものであるが,その様式的特色はギリシア美術と土着のオリエント美術を折衷したもので,アケメネス朝美術のような強い独自性,個性を欠く。…
【パルティア美術】より
…パルティア美術とは,アルサケス朝(前247‐後226ころ)下の西アジアに栄えた美術をいうが,必ずしもパルティア人の手になるものではない。前期と後期に大別される。前者(前3世紀~前1世紀)はギリシア美術からの影響がきわめて強い。後者(1世紀~3世紀)ではギリシア的特色が後退し,それに代わってアケメネス朝,パルティアなどのイラン系民族や土着民族(例,エリュマイスElymais王国,隊商都市ハトラ)の趣向ないし美意識が顕著となっている。…
※「Elymaïs」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」