世界大百科事典(旧版)内の《Ledécadent》の言及
【象徴主義】より
…それは,時代を覆っていた科学的実証主義の風潮,あるいはまた物質優位の世界観に疑いをもちながら,衰頽しつつある世界において,倦怠,憂鬱にとらえられずにいられない内面の微妙な状態を表現することが,新しい詩人の役割とする考えかたに基づいていた。そしてモレアスの宣言と同じ86年には,《デカダンLe décadent》と題する雑誌が刊行されたり(1889年まで),〈デカディスムdécadisme〉という用語が用いられたりしたこともある。しかし,結局,象徴主義という用語が優位を占め,デカダンと称したグループも,やがて象徴主義の流れのなかに含まれることになる。…
※「《Ledécadent》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」