世界大百科事典(旧版)内のLespugueの言及
【ビーナス】より
…植物を生ぜしめる大地を地母神(大母神)とみなす思想は,古代世界各地に見られる。そのような思想を美術的に表現した地母神像として有名なものには,旧石器時代にさかのぼる〈ウィレンドルフWillendorfのビーナス〉や〈レスピューグLespugueのビーナス〉があり,他にも同種のものが無数に出土している。それらの多くは大きな乳房,太い腰によって母性であることが強調されており,しばしば様式化された性器が示されている。…
【フランス美術】より
…それは,ルネサンス的な意味で〈写実的〉というのとはいささか違うにせよ,外界を眺める先史時代の人々の眼の確かさをよく物語っている。 他方彫刻は,ローセルの洞窟から発見された〈角杯を持つビーナス〉や,オート・ガロンヌ県レスピューグLespugue出土の〈レスピューグのビーナス〉など,やはり旧石器時代(おそらくはオーリニャック期)の女性裸体像が,最も早いものに属する。洞窟壁画がその〈写実性〉を特色としているのに対し,豊饒多産を祈念する呪術的意味をもつと思われるこれらの〈ビーナス〉像は,身体の重要な部分を思い切って誇張する大胆なデフォルマシヨンによってわれわれを驚かせる。…
※「Lespugue」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」