世界大百科事典(旧版)内のRoscellinusの言及
【普遍論争】より
…11世紀末のカンプレの司教オドOdoは原罪遺伝説を擁護し,アダムは多数の個の実体的統一であるから,アダムの子らはみな同一実体で,性質のみが異なると主張した。他方,オドと同時代でアベラールの師でもあったロスケリヌスRoscellinusは,実在するものは個物のみで,普遍はたんなる〈音声vox〉にすぎないと考えて,三位一体ではなく三神論を主張するに至った。アベラールはこの極端な唯名論をやや緩和して,普遍とは有意味な語たる〈ことばsermo〉ないし〈名辞nomen〉がさし示す意味であり,〈個物の一般的な漠然たる印象〉がこれに対応すると考えた。…
※「Roscellinus」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」