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…また,国際映画祭に出品できるのは,国際映画製作者連盟に正式に加盟している各国の映画製作者連盟に限られるので,五社体制下の日本映画の場合はどうしても独立プロ作品にそのチャンスが与えられないことになる。65年のベルリン映画祭では,日本映画製作者連盟(映連)が推した大映の《兵隊やくざ》と東映の《にっぽん泥棒物語》が予選で落とされ,独立プロの《壁の中の秘事》(若松孝二監督)が映画祭事務当局の独自の見解で正式参加作品にされたため,映連は今後この映画祭に出品しないことを通告,その後ベルリン側からの謝罪があって出品を再開したというような実情である。 国際映画祭は開催国に,(1)自国および自国の映画の宣伝,(2)観光収入という二つの効果,利益をもたらすといわれるが,実際,世界でもっとも古い歴史をもつベネチア映画祭はムッソリーニ政権下の1932年に〈国威宣揚〉の目的で生み出され,また,どの国際映画祭も国際親善と映画芸術の発展のためにつくすことをうたいながら,実質は映画の商品見本市を主要な目的とし,同時にスターや映画人の集いの場であり文化交流の場であることを目ざしているということができる。…
※「ベルリン映画祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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