上流(読み)ジョウリュウ

デジタル大辞泉 「上流」の意味・読み・例文・類語

じょう‐りゅう〔ジヤウリウ〕【上流】

川の流れの、源に近い方。また、源に近い部分。かわかみ。⇔下流
社会的地位・生活程度などの高い階級。「上流家庭」⇔下流
[類語](1川上中流下流川下河口川口/(2上層

かみ‐りゅう〔‐リウ〕【上流】

茶道流派で、京都上京かみぎょうに住した千家流のこと。→下流しもりゅう

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精選版 日本国語大辞典 「上流」の意味・読み・例文・類語

じょう‐りゅうジャウリウ【上流】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 川の流れの源に近い部分。みなかみ。かわかみ。⇔下流
    1. [初出の実例]「謙信分兵渡上流、出甲斐軍後」(出典日本外史(1827)一一)
    2. 「上流は巨石犖确(らくかく)水勢之が為に迸激(はうげき)し」(出典:新聞雑誌‐二三号・明治四年(1871)一二月)
    3. [その他の文献]〔史記‐淮陰侯伝〕
  3. 上の階級。社会的地位、経済力、教養などの高い階層。上流階級。⇔下流
    1. [初出の実例]「元と此戦争の起る源因は、国内上流の士君子、売奴の旧悪習を悪み」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉一)
    2. [その他の文献]〔羅隠‐題方干詩〕

うわ‐ながしうは‥【上流】

  1. 〘 名詞 〙 家の内、床の上で用いる炊事用流し台。
    1. [初出の実例]「勝手道具、炬燵櫓(こたつやぐら)、上流(ウハナガ)し、〈略〉その外、いろいろの道具を」(出典:歌舞伎・盟三五大切(1825)大詰)

かみ‐りゅう‥リウ【上流】

  1. 〘 名詞 〙 茶道の千家(せんけ)をいう。京都の上京(かみぎょう)家元がいたところからの名称で、下京の藪内家に対していう。

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普及版 字通 「上流」の読み・字形・画数・意味

【上流】じようりゆう(じやうりう)

川上。〔左伝、襄十四年〕を濟(わた)りて(やど)る。秦人の上に毒す。師人多く死す。~欒黶(らんえん)曰く、晉國の命に、未だ是れらざるなり。余が馬首、東せんと欲すと。乃ち歸る。

字通「上」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の上流の言及

【藪内流】より

…藪内流は,京都西本願寺を背景に栄えたが,その茶法は書院風の古格を最もよく残している。千家が上京(かみぎよう)に屋敷を構えていたので,その茶道を上流(かみりゆう)と称するのに対し,下京(しもぎよう)に屋敷を持っていた藪内流の茶道は下流(しもりゆう)と称された。この屋敷は剣仲の子で2世真翁紹智(1580‐1655)が本願寺の良如上人の知遇を得て寺領の一部を拝領したものであり,ここに流儀の基礎が確立されたといってよい。…

※「上流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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