拉ぐ(読み)ヒシグ

デジタル大辞泉 「拉ぐ」の意味・読み・例文・類語

ひし・ぐ【拉ぐ】

[動ガ五(四)]
押しつけてつぶす。「鬼をも―・ぐ怪力」
勢いをくじく。頓挫とんざさせる。
説諭ときさとして女の愚痴を―・ぎ」〈露伴・プラクリチ〉
[動ガ下二]ひしげる」の文語形

ひしゃ・ぐ【拉ぐ】

[動ガ五(四)]平たく押しつぶす。ひしぐ。
三寸釘の頭を―・いで通した心棒を」〈黒島二銭銅貨
[動ガ下二]ひしゃげる」の文語形。

ひさ・ぐ【拉ぐ】

[動ガ四]押しつぶす。ひしぐ。
「かれが手をにぎり―・ぎ給ふにより、骨くだけ」〈戴恩記
[動ガ下二]押されてつぶれる。ひしゃげる。
「家の―・げける時」〈撰集抄・七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「拉ぐ」の意味・読み・例文・類語

ひし・ぐ【拉】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ガ五(四) 〙
    1. おしつけてつぶす。おしつけて砕く。おしつぶす。ひしゃぐ。
      1. [初出の実例]「頭と頭と打合させ、ひしゐで抛捨て」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)下)
    2. 勢いをくじく。面目をつぶす。
      1. [初出の実例]「うつくしきかほやが沼の杜若あやめの花をひしぎこそすれ」(出典:狂歌・徳和歌後万載集(1785)一)
    3. 笛を軽く吹き鳴らす。
      1. [初出の実例]「フエヲ fixigu(ヒシグ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 他ガ下二 〙ひしげる(拉)

ひしゃ・ぐ【拉】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ガ五(四) 〙 平たくおしつぶす。ぺしゃんこにする。ひさぐ。
    1. [初出の実例]「あつもりまわせんずばしばいをふみやぶらん、つかみひしゃがん」(出典:咄本・一休関東咄(1672)上)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ガ下二段活用 〙ひしゃげる(拉)

ひさ・ぐ【拉】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ガ四段活用 〙 押しつぶす。砕く。ひしぐ。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ガ下二段活用 〙 押されてつぶれる。ひしがれる。ひしゃげる。
    1. [初出の実例]「家のひさげける時、此本尊のとうじんの観音、宗順の上におほひて」(出典:撰集抄(1250頃)七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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