水瓶(読み)ミズガメ

デジタル大辞泉 「水瓶」の意味・読み・例文・類語

みず‐がめ〔みづ‐〕【水瓶/水×甕】

飲み水などをたくわえておくための瓶。
飲用水工業農業用水となる、湖やダムなどの貯水池水源のたとえ。
[類語](2沼沢湖沼泥沼古池溜め池貯水池人工池遊水池用水池ダム湖水淡水湖鹹水湖塩湖河跡湖三日月湖火口原湖火口湖陥没湖人造湖

すい‐びょう〔‐ビヤウ〕【水瓶】

仏語比丘びく十八物の一。水を入れる容器。飲用水を入れる浄瓶と用便後の手洗水を入れる触瓶とがある。→軍持ぐんじ

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精選版 日本国語大辞典 「水瓶」の意味・読み・例文・類語

すい‐びょう‥ビャウ【水瓶】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「びょう」は「瓶」の呉音 )
  2. 仏語。比丘の必需品、大乗僧が持つ十八物の一つ。飲用のものを「浄瓶」といい、用便後の手洗いに用いる水を入れるものを「触瓶」という。また、布薩のときに用いるものを「布薩水瓶」という。
    1. 水瓶<b>①</b>〈奈良県法隆寺献納宝物〉
      水瓶〈奈良県法隆寺献納宝物〉
    2. [初出の実例]「其の子の住みし堂、読みし経及以持せし水瓶等は是れなり」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
  3. 水や酒などを入れておく瓶(かめ)。みずがめ。すいびん。すいへい。
    1. [初出の実例]「影の如くして杖に懸りて水瓶を持て咲み枉(まげ)て逶(よろぼ)ひ出たり」(出典今昔物語集(1120頃か)五)
    2. 「庵室より剃刀を借寄て、持給へる水瓶(スイビャウ)にて髪を洗ひ」(出典:源平盛衰記(14C前)一七)

みず‐がめみづ‥【水瓶・水甕】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 飲み水などを貯えておく瓶。
      1. [初出の実例]「合白銅水瓶壱拾陸口」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747))
    2. 酒瓶。また、瓶に入った酒。
      1. [初出の実例]「自長奥方水瓶一云、近日依醞味悪之」(出典:蔭凉軒日録‐延徳三年(1491)五月四日)
  2. [ 2 ] ( 水甕 ) 短歌雑誌。大正三年(一九一四尾上柴舟を中心に石井直三郎岩谷莫哀赤木桁平(こうへい)・出隆らによって創刊。昭和二年(一九二七)名古屋の「青樹」を合併。個性を尊重し、歌風は穏健。

すい‐びん【水瓶】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「びん」は「瓶」の唐宋音 ) =すいびょう(水瓶)
    1. [初出の実例]「水瓶(スイヒン)の腹の破たるを」(出典:雑談集(1305)三)

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デジタル大辞泉プラス 「水瓶」の解説

水瓶

川上未映子詩集。2012年刊行。第43回高見順賞受賞。

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世界大百科事典(旧版)内の水瓶の言及

【瓶】より

…仏教では,軍持(ぐんじ)(クンディカーkuṇḍikā)と迦羅奢(カラシャkalaśa)の二つに大別する。前者はおもに飲料水などを入れるための水瓶(すいびよう)で,大乗仏教では出家者の所有すべきたいせつな持物(〈十八物(じゆうはちもつ)〉)の一つとされた。菩薩,とくに観音像の中には,この水瓶を手にした姿のものも少なくない。…

※「水瓶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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