デジタル大辞泉
「言語道断」の意味・読み・例文・類語
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ごんご‐どうだん ‥ダウダン【言語道断】
〘名〙 (形動)
ことばで表現する道が断たれるの意。
① (━する) 仏語。表現する方法がなくなること。深遠な真理はことばで説明できないこと。
言語断。
※法相二巻抄(1242か)上「実の法性は有とも云ふべからず、空とも云ふべからず、
真如とも云ふべからず、不可思議なるが故に、言語
道断なるが故也」 〔
法華玄義‐二・下〕
② あまり立派で、ことばではそれが言い表わせないほどであること。また、ことばで説明できないほど重大なさま。
※
明衡往来(11C中か)
上本「御歌之為
レ体、花実兼備首尾相得、不
レ耻
二古人
一無
レ比
二当世
一。心目所
レ感言語道断者也」
③ あまりひどくてことばも出ないほどであること。きわめて悪くて、何ともいいようがないこと。とんでもないさま。もってのほか。
※
東大寺文書‐天喜四年(1056)一一月一一日・伊賀守小野守経解「且歎前別当狼藉之身、成此歓
言上此由以後、於今不参上之咎、更言語道断也」
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)一「味方に気おくれさせつるは言語同断
(ゴンゴドウダン)の
曲者」
④ (感動詞的に) 並外れた物事に接して驚いた、という気持を表わす。
形容詞・
形容動詞が直後に続く場合が多い。とてつもなく。
※謡曲・花月(1423頃)「言語道断面白きことを
仰せられ候、また人のご所望にて候」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
言語道断
あまりひどくてことばも出ないほどであること。きわめて悪くて、何ともいいようがないこと。もってのほか。
[活用] ―だ・―な。
[使用例] 真夜中から、また例の激痛がはじまった。言語道断の痛みである[檀一雄*死んでも喇叭|1954]
[使用例] 布包みのなかは子供らしいが、こんな負んぶの仕方はない。この人混みのなかでは窒息するにきまっている。言語道断である[井伏鱒二*黒い雨|1965~66]
[解説] 原義は、仏教などの深遠な真理が、ことばでは説明できないということ。「道」は「言う」または「方法」で、「道断」は言う方法がないこと。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
言語道断
ごんごどうだん
本来は仏教語で、「言語に述べるべき道が断たれる」という意をもち、ことばでは表現しがたい奥深い真理をいい、「言語同断」と書くこともある。転じて、話にならない、もってのほかのことという意をもつ。『法華経(ほけきょう)』に、「言語道断、物の拘(こう)する所にあらず」とあり、『瓔珞(ようらく)経』には、「言語道断、心行の滅する所」などとある。
[田所義行]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例