(読み)ゴ

デジタル大辞泉 「語」の意味・読み・例文・類語

ご【語】[漢字項目]

[音](呉) ギョ(漢) [訓]かたる かたらう ことば
学習漢字]2年
かたる。話す。「豪語私語耳語笑語独語妄語大言壮語
ことば。「語彙ごい語学語法隠語英語漢語季語敬語結語言語げんご・げんぎょ・ごんご古語口語国語死語熟語述語成語祖語造語俗語単語標語類語
物語。「源語勢語
[名のり]かた・こと・つぐ
難読私語ささめごと

ご【語】

単語。「むずかしい意味を調べる」
口に出して言う言葉。「を続ける」「を遮る」
ことわざ。成句。特に、軸物に書いたもの。賛や詩に対していう。
[類語]言語言葉言辞言の葉

ぎょ【語】[漢字項目]

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精選版 日本国語大辞典 「語」の意味・読み・例文・類語

かたり【語】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かたる(語)」の連用形の名詞化 )
  2. 語ること。はなし。また、話のたね。語りつたえ。
    1. [初出の実例]「葦の屋の 菟原処女(うなひをとめ)の 奥津城を 吾が立ち見れば 永き世の 語(かたり)にしつつ 後人(のちひと)の 偲ひにせむと」(出典:万葉集(8C後)九・一八〇一)
  3. 能で、出来事や由緒(ゆいしょ)などを節のない、抑揚の少ない詞(ことば)で物語ること。また、その部分。主としてワキが演じる。
    1. [初出の実例]「これについてあはれなる物語りの候。この舟の向かひに着き候はん程に語って聞かせ申さうずるにて候(語り‐不合詞)ワキ さても去年三月十五日、しかも今日に相当りて候ふぞや」(出典:謡曲・隅田川(1432頃))
  4. 狂言の台詞(せりふ)の中で、緩急抑揚をつけて語られる物語。また、その動作。
    1. [初出の実例]「カタリ そもそもひえいざんゑんりゃくじは、伝教大師くゎんむ天王と御心をひとつにして、ゑんりゃく年中にかいひゃくし給ふ」(出典:虎明本狂言・夷大黒(室町末‐近世初))
  5. 平曲などの節まわし。かたりくち。
  6. 歌舞伎脚本の内容の概略を、七五調で述べた文章。番付などの外題の上に書き入れる。

語の補助注記

「書紀‐雄略九年」に「大伴談連 談。此云箇陀利(カタリ)」とある。

語の語誌

( 1 )単独で用いられることは能・狂言の用法以外は少なく、「神語(かむがたり)」「歌語(うたがたり)」「物語(ものがたり)」など語られる内容の語を冠した例が多い。
( 2 )儀礼化された「語り」は、もとは地方共同体での神話や伝承などを伝える行為であったが、中央集権化が進むにつれ大嘗祭に組み込まれ、「語部美濃八人」など語部の出身国や人数も固定されるに至って、地方の神話伝承は中央に吸収、支配された。→語部(かたりべ)
( 3 )歌の来歴を伝えた「歌語」は、文字で記されることによって固定化され、「語り」本来の行為を失った文学となり、「物語」に成長する。一方、文字と結びつかなかった「語り」は、琵琶や三味線を伴った「平家語り」「義太夫語り」へと、二分化して、それぞれに発展した。


かたらいかたらひ【語】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かたらう(語)」の連用形の名詞化 )
  2. 気持や考えを口に出して相手に伝えること。また、相談すること。
    1. [初出の実例]「彼のかたらひせし少納言、交野の少将の文もて来たるに」(出典:落窪物語(10C後)二)
    2. 「たちばなの花散る里の郭公かたらひしつつ鳴かぬ日もなし〈大伴旅人〉」(出典:続古今和歌集(1265)夏・二五二)
  3. 夫婦の約束をすること。情交すること。男女の契り。
    1. [初出の実例]「ただ、あだにうち見る人の、浅はかなるかたらひに見なれそなれて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)
    2. 「いざなきいざなみのみこと、あまの岩くらのこけむしろにて、男女のかたらひをなし」(出典:虎明本狂言・夷大黒(室町末‐近世初))
  4. 説いて仲間に引き入れること。誘い。
    1. [初出の実例]「宰相のかたらひにつかん事は、猶いとものし」(出典:とりかへばや物語(12C後)上)
  5. ( 鳥を擬人化して ) 鳴くこと。また、その声。
    1. [初出の実例]「朝(けさ)烏鵲の語(カタラヒ)を聞きつる」(出典:醍醐寺本遊仙窟康永三年点(1344))
  6. 話し合うこと。したしく語り合うこと。「若い人たちのかたらい」
    1. [初出の実例]「女は水よりも淡き二日の語らひに、片袖を形見に残して知らぬ間にゐなくなって了った」(出典:千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉)

ご【語】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 言葉。言語。もの言い。
    1. [初出の実例]「文に句をきるに、中に朱をつくるは、上から語のつづいた処ぞ」(出典:山谷詩集鈔(1647)八)
    2. 「独逸、仏蘭西の語を学びしことなり」(出典:舞姫(1890)〈森鴎外〉)
    3. [その他の文献]〔陶潜‐和郭主簿詩〕
  3. 成句。文句。ことわざ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「だるまのごにいはく、〈略〉地ごくに入事矢のごとし」(出典:虎明本狂言・餌差法問(室町末‐近世初))
    2. [その他の文献]〔春秋穀梁伝‐僖公二年〕
  4. 単語をいう。「一〇万語に及ぶ大作」
  5. 数学で、有限個の記号の列。いくつかの記号があたえられた時、その中から有限個のものを(重複を許して)とり出して並べたものを、あたえられた記号をアルファベットとする語という。
  6. 電子計算機の記憶装置が、演算装置や制御装置とやり取りする単位情報。一つの命令ないしは数値を表わす。

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普及版 字通 「語」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

[字音] ゴ・ギョ
[字訓] かたる・ことば

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は吾(ご)。吾に・禦の意がある。言語と連称し、言は立誓による攻撃的な言語、語は防禦的な言語。〔説文〕三上に「論なり」とあり、是非を論ずる意とし、また〔礼記、雑記下〕に「言ひて語らず」とは、人と論説しない意である。〔詩、大雅、公劉〕は都城の経営を歌う詩であるが、その地を定めて旅寝をし、「時(ここ)に于(おい)て言言し 時に于て語語す」という句がある。これは〔周礼、地官、土訓〕や〔地官、誦訓〕などの伝える呪誦を以て、地を祓うことにあたるものであろう。このような呪誦は、わが国の「風俗(くにぶり)の」に類するもので、地霊によびかけるものであった。言語はもと呪的な応対の語であったが、のち一般の語をいう。

[訓義]
1. かたる、呪語をのべて霊をしずめる、ことば。
2. ことわざ、おしえ。
3. はなし、ものがたり。
4. ときさとす、つげる、いう。
5. かたる、かたらう。
6. 国語、仲間とする。

[古辞書の訓]
名義抄〕語 コト・コトバ・カタラフ・カタル・モノガタリ・モノイフ・ウワサ・サヅク・イフ・トフ・カタラク・アフ・サヘヅル 〔字鏡集〕語 サヘタツリ・カタル・モノユフ・モノガタリ・イイカタラフ・トク・サヅク・コトワザ・カタラフ・コトバ・トフ・イフ・ネゴト・コト

[語系]
語ngia、言ngianは双声で相対する語。ngianは言と同声。は生を弔うこと、はいわゆる「風俗の」で、わが国では地霊にはたらきかけるときの呪的言語をいう。序詞・枕詞などはそのに起源する語である。

[熟語]
語意・語彙・語訛・語格・語気・語戯・語句・語言・語原・語源・語次・語辞・語釈・語笑・語讖・語声・語勢・語泄・語調・語病・語弊・語黙・語問・語楽・語録
[下接語]
異語・隠語・韻語・宴語・縁語・訛語・歌語・雅語・解語・諧語・閑語・漢語・歓語・奇語・季語・寄語・綺語・客語・謔語・虚語・空語・偶語・語・敬語・警語・語・激語・結語・言語・原語・語・古語・口語・巧語・好語・語・硬語・豪語・国語・雑語・賛語・死語・私語・詞語・詩語・識語・失語・主語・熟語・述語・術語・笑語・剰語・常語・畳語・新語・人語・成語・勢語・贅語・隻語・禅語・祖語・壮語・語・造語・俗語・大語・単語・談語・逐語・鳥語・聴語・勅語・対語・通語・伝語・土語・怒語・倒語・套語・独語・軟語・喃語・難語・俳語・廃語・発語・跋語・反語・語・卑語・飛語・秘語・蜚語・鄙語・語・評語・文語・平語・補語・母語・邦語・法語・梵語・漫語・密語・妙語・面語・妄語・黙語・訳語・用語・落語・俚語・略語・類語・連語・和語

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語 (ご)

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【単語】より

…ことばの最も基本的な単位として,我々が日常的・直観的に思い浮かべるのが単語である。そして我々はこの単語を一定のルールに従って結合させ,より大きな単位であるを構成し,それを表出することによって,他人との間にコミュニケーションを成立させているのである。…

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