(読み)モロモロ

デジタル大辞泉 「諸」の意味・読み・例文・類語

もろ‐もろ【諸/諸々】

多くのもの。さまざまのもの。また、多くの人。「―の出来事」「―の事情」
[類語]広い幅広い手広い広範広範囲多方面多角多面多岐さまざま各種種種諸種いろいろ多様多様化多面的多種多種多様多彩数数いろんなとりどり色とりどり百般万般諸般多元多元的多角的横断的複眼的おしなべて一般全般に総じて概して多くおおむね大概普通通例通常一体に総体およそあまね雑多よろず各人各様十人十色千差万別マルチ事事物物種種雑多各様種種くさぐさ玉石混淆こんこう凡百ぼんぴゃく百態百事百千万端各般数多あまた数多すうた数次幾度等等諸相諸物山ほどざらあれこれ何やかや何だかんだ何のかの何くれ何くれとなくあれやこれやごちゃごちゃ枚挙にいとまがない十指に余るあの手この手エトセトラ

しょ【諸】[漢字項目]

[音]ショ(漢) [訓]もろ もろもろ これ
学習漢字]6年
〈ショ〉多くの。もろもろの。「諸君諸侯諸国諸派諸般
〈もろ〉「諸手諸肌
[名のり]つら・もり

もろ【諸】

[語素]名詞の上に付いて複合語をつくる。
(「両」「双」とも書く)二つの、両方の、双方の、の意を表す。「手」「矢」
多くの、すべての、の意を表す。「人」「神」
一緒の、の意を表す。「声」「寝」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「諸」の意味・読み・例文・類語

もろ【諸】

  1. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 多く名詞の上に付いて用いられ、いくつかある同種のもの、すべて、の意を表わす。
    1. ( 「両」「双」とも書く ) 二つ一組になっている物の、両方、双方の意を表わす。「もろ手」「もろ袖」「もろ肌」「もろ刃」など。
    2. すべてのもの、多くのもの、の意を表わす。「もろ人」「もろ心」「もろ穂」など。
    3. 複数の人がいっしょにその動作をする意を表わす。「もろ声」「もろ寝」「もろ持ち」など。
      1. [初出の実例]「評定衆の裁許をまたずして、さしこへてうったうるを、上より御尋の時もろ一味申さるべきまで也」(出典:清原宣賢式目抄(1534)起請)
  2. [ 2 ]もろいとおり(諸糸織)」の略。
    1. [初出の実例]「諸(モロ)羽織結城小袖」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉ハイカラ紳士)

しょ【諸】

  1. 〘 接頭語 〙 漢語の名詞の上に付けて、もろもろの、の意を表わす。多くの。いろいろの。
    1. [初出の実例]「入院の仏事ならば山門仏事等と云へば、諸仏事は其中にあるときこへたぞ」(出典:史記抄(1477)一八)
    2. 「各々の世代の諸可能性に相応して形作られた」(出典:ネオヒューマニズムの問題と文学(1933)〈三木清〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「諸」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)
人名用漢字 16画

[字音] ショ
[字訓] もろもろ・おおい・これ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(者)(しや)。〔説文〕三上に「辯なり」とあり、〔爾雅、釈訓〕「は辯なり」の訓をとる。「あまねし」の意である。〔段注〕に「辨(わか)つなり」の誤りとし、分別より諸多の意となったという。金文に「侯」「士」など、を諸の意に用いる。は、邑落をめぐらした中に、呪禁として埋めた書をいう。その祝の辞が種々の呪禁に及ぶので、それをというのであろう。

[訓義]
1. もろもろ、多くの辞、多い。
2. 之と通じ、これ、之於・之乎と通じ、これを~に、これ~か(や)の意に合字として用いる。
3. 語末につけて、形容の語を作る。忽諸

[古辞書の訓]
名義抄 モロモロ・オホヨソ・ツミ・ワキマフ・ススム・モモホシ・ソレ・コレ・ミナ・ウトシ・カタヘ

[声系]
〔説文〕に声としての二字を録し、と同声。にみな、うちに多くのものを収蔵する意がある。

[語系]
tjiaは同声。zjiaも声近く、みな諸多・収蔵の意がある。形容語の語末に用いるものに如njia、(若)njiak、而nji、然njian、爾njiaiなどがあり、みな声の近い字。〔詩、風、日月〕「日居(や)(や)」の居・諸のように終助詞に用いるのは、が之乎tji-haの合音であるからその末音を用いたものであり、また〔論語、衛霊公〕「子張、(こ)れを紳に書す」のは、于之hiua-tji、於之ia-tjiの合音としての用法である。

[熟語]
諸越・諸夏・諸下・諸家諸華諸奸・諸季諸許諸御・諸君諸賢諸彦・諸侯・諸工・諸公諸豪・諸国・諸子・諸士・諸事諸儒諸衆諸処・諸色・諸生・諸弟・諸般・諸・諸父・諸物・諸母諸余諸虜
[下接語]
居諸・忽諸・方諸

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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