ぼんやり(読み)ボンヤリ

デジタル大辞泉 「ぼんやり」の意味・読み・例文・類語

ぼんやり

[名]気持ちが集中せず間が抜けていること。また、その人。
[副](スル)
物の形や色などがはっきりせず、ぼやけて見えるさま。「島影ぼんやり(と)見える」
事柄内容などがはっきりしないさま。「記憶ぼんやり(と)している」
元気がなく、気持ちが集中しないさま。「終日ぼんやり(と)過ごす」
気がきかず、間が抜けているさま。「ぼんやり(と)して手伝おうともしない」
[類語]1)(2ぼうっとぼうぼやっとぼけっとぽっとぼさぼさきょとんぽかんぽかりもやもやおぼろおぼろげ不鮮明不明瞭朦朧もうろう模糊もこ茫漠ぼうばく茫茫ぼうぼうばく漠然ばくぜん不詳未詳未知未確認迷宮入り陰る曇る霞む掻き曇るぼやける暈ける掠れるどろん不透明ほのかかすかほんのりうっすら薄薄淡いよう杳杳ようようようとして暗い薄暗いほの暗い小暗い暗い小暗がり手暗がり真っ暗暗然冥冥/(3)(4あんぐりあんごりきょとんぼうっとぽうっとぼうぽかんとぼけっとぼやっとぼやぼやぼさっとぼさぼさぼそっともやもや朦朧もうろうぼやける雲をつかむ不確か曖昧曖昧模糊ファジー茫乎ぼうこなんとなくなんだかそこはかとないほんのりなんとはなしどことなくそれとなしに心なしなにかしら思いなしかほのか模糊茫茫ぼうぼう漠漠茫漠ぼうばくもやくやもやつく彷彿ほうふつ憂鬱憂さ鬱気気鬱鬱鬱陰鬱鬱然鬱陶しい物憂い暗鬱沈鬱くよくよくしゃくしゃ重苦しいくさくさ滅入る塞ぐ塞ぎ込む気塞ぎ悶悶もんもんやるせないくすぶるわだかまる意気消沈暗澹あんたん胸騒ぎ怪訝けげんいぶかしいいぶかる辛気歯がゆいいらいら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぼんやり」の意味・読み・例文・類語

ぼんやり

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
    1. 形や色彩が、ぼけていてはっきりしないさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「ぼんやりと峯より峯の冬の雲〈惟然〉」(出典:俳諧・おくれ馳(1698))
      2. 「二階はラムプが陰々(ボンヤリ)点いてゐて」(出典多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
    2. 事柄があいまいではっきりしないさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「老俳にも初心にも只ぼんやりとしてはきと分らず」(出典:俳諧・古学截断字論(1834)上)
    3. 元気のないさま、また気持が集中していないさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「Bonyari(ボンヤリ) シタ ヒト」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
    4. 気のきかないさま、間が抜けているさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「余程ぼんやりとした小僧で」(出典:ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉)
    5. 商取引で市場に活気がなく、相場が低迷するさまを表わす語。⇔しっかり
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. 呆然としていたり、うかつであったりする状態。
      1. [初出の実例]「ぼんやりから覚めて見れば、自分はいつか娑婆の人間になってゐる」(出典:坑夫(1908)〈夏目漱石〉)
    2. 利発でない人。気のきかない人。
      1. [初出の実例]「お類も決して遅鈍(ボンヤリ)の方ではなかった」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のぼんやりの言及

【取引所】より

…休明けである月曜日はとかくこうした状態になる場合が多いことから〈月曜ぼけ〉という言葉もあるが,これは月曜日はニューヨーク株式はじめ海外市場の値動きが入らないことや,外人投資家の注文が減ることから手がかり難となり,相場に影響することが一因と考えられる。また,相場がぼけた状態のように相場に力がなく,少し安い相場の地合いを〈ぼんやり〉ともいう。 まばら小口の売り買いのことをいう。…

※「ぼんやり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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