『注文の多い料理店』(読み)チュウモンノオオイリョウリテン

とっさの日本語便利帳 「『注文の多い料理店』」の解説

『注文の多い料理店』

宮澤賢治
二人の若い紳士が、すっかりイギリス兵隊かたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。
「ぜんたい、ここらの山は怪しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。」
「鹿の黄いろな横っ腹なんぞに、二三発お見舞もうしたら、ずいぶん痛快だろうねえ。くるくるまわって、それからどたっと倒れるだろうねえ。」\(一九二四)

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