白熊(読み)ハグマ

精選版 日本国語大辞典 「白熊」の意味・読み・例文・類語

は‐ぐま【白熊・白

  1. 〘 名詞 〙
  2. ヤクの尾の毛。雄勁(ゆうけい)破邪信仰から旌旗(せいき)の竿頭や矛戈(ぼうか)の柄、采配(さいはい)につけたり、唐(から)の頭(かしら)と呼んで偉容のかぶりものに用いたりした。赤く染めたのを赤熊(しゃぐま)、黒く染めたのを黒熊(こぐま)という。
    1. [初出の実例]「ひをとしのよろひに、こなしうちの甲に、はくまをつけ」(出典:仮名草子・大坂物語(古活字版第一種)(1615頃))
  3. 毛の白い熊。
    1. [初出の実例]「又はぐまとて白き熊有り」(出典:幼学読本(1887)〈西邨貞〉五)

しろ‐くま【白熊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しろぐま」とも ) 「ほっきょくぐま(北極熊)」の俗称。《 季語・冬 》 〔生物学語彙(1884)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の白熊の言及

【采配】より

…そのため再拝の紙は白紙を本儀とするが,軍学の流行につれて金の切割(きりわり),朱の切割などが生じた。また入道した武将が,白熊(はぐま)と称してヤク(犛牛)の尾毛をたばねた払子(ほつす)を使用したが,再拝にも紙のかわりに白熊を用いることが行われるようになった。さらにこれを将帥の料と伝える麾旌(きせい)の遺制と考え,麾の字を〈さい〉とよんで再拝の意に用いるようになった。…

※「白熊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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