イラクでの米軍増派(読み)いらくでのべいぐんぞうは

知恵蔵 「イラクでの米軍増派」の解説

イラクでの米軍増派

ブッシュ米大統領は2007年1月にイラクに2万人の米軍増派を発表した。首都バグダッドの治安回復とスンニ派反米武装勢力の拠点である首都西方のアンバル州に重点的に充てられた。9月にブッシュ大統領は、アンバル州で地元のスンニ派勢力と米軍の協力によって、アルカイダ勢力を弱体化させたことなどを強調し、08年7月までに3万人を削減することを発表した。 ペトレイアス・イラク駐留米軍司令官が、「イラク全体の死者数が06年12月から45%減った」などと米議会で証言し、一部削減が可能と証言した。大統領の発表は、それを受けたものだが、増派分の削減にとどまり、米国内で高まる米軍撤退論議は先送りされた。

(川上泰徳 朝日新聞記者 / 2008年)

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