バラ疹(読み)ばらしん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バラ疹」の意味・わかりやすい解説

バラ疹
ばらしん

薔薇(しょうび)疹ともいい、バラ色の小さい紅色斑(はん)がおもに体幹に対称的に発生した状態をさす。梅毒性バラ疹梅毒の第二期のごく初期に、すなわち感染後3か月前後に体幹を中心に発生するが、一般に軽症のためにしばしば見過ごされることが多い。ときに感染後1~2年に再発することもある。腸チフスの際のバラ疹は、高熱など全身症状が出現している発病後第一週末から第二週にかけて、胸や腹に直径2~5ミリの淡紅色斑が多発するが、数日後には消失する。

[岡本昭二]

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世界大百科事典(旧版)内のバラ疹の言及

【チフス】より

…これらの病気は,特異な感染様式と臨床経過をとるためチフス性疾患と呼ばれ,一般に食中毒や急性胃腸炎の病型をとる他のサルモネラ症と区別される。腸チフス,パラチフスは主として消化管のリンパ組織に固有の病変を起こし,特有の熱型,徐脈,バラ疹,脾腫,白血球減少を主要症状とする急性全身感染症である。 腸チフス,パラチフスは昭和の初めから第2次大戦直後まで日本全国で年間5万人以上の発生がみられたが,その後急激な減少を続け,1967年以後300~500人程度に減少している。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」