翻訳|syphilis
性的な接触によってうつる性感染症。病原菌は梅毒トレポネーマ。感染しておよそ3週間の「1期」は陰部などにしこりやリンパ節の腫れなどの症状が出やすい。痛みがないことも多いが他の人に広げる恐れがある。数週間~数カ月後の「2期」は赤い発疹などの症状が全身に広がる。適切な治療を受けないと数年後に臓器に影響が出て、死に至る危険性がある。妊婦が感染すると胎児にうつり先天梅毒となることがある。予防策はコンドームの適切な使用。治療には抗菌薬の飲み薬や注射薬がある。
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梅毒トレポネマ(ニコルス株トレポネマ・パリズムTreponema pallidum)を病原体とし,慢性の経過をたどり,循環器系ないし中枢神経系まで侵される性病。出生後に感染したものを後天性梅毒,胎児が子宮内で感染したものを先天性梅毒という。
性病は,近代の細菌学の発達によって,それぞれの病原菌が確定されるまでは,正確な区別がなされていなかった。梅毒が他の性病と区別されるようになったのは,1905年にF.R.シャウディンとホフマンErich Hoffmann(1868-1959)により梅毒トレポネマが発見されて以後のことである(はじめスピロヘータ・パリダと命名,のちにトレポネマ・パリズムと改称)。1910年P.エールリヒ,秦佐八郎によって有機ヒ素剤であるサルバルサンが開発され,初めての化学療法剤として梅毒の治療に用いられたが,治療効果は不十分であり,副作用が多発した。40年代以降は,梅毒に対してはペニシリンを中心とする抗生物質による治療が行われるようになった。ペニシリンの治療効果は優秀であり,現在でもなお,梅毒の治療にはペニシリン中心の抗生物質療法が実施されている。
後天性梅毒は,第1~3期,変性梅毒の4期に分けられる。
(1)第1期梅毒primary syphilis 感染してから3ヵ月までの期間である。梅毒の感染方式としては性交が大半を占める。感染後1~7週,平均3週で感染部位である外陰部にしこり(硬結)ができるが,これを初期硬結initial sclerosisという。自覚症状はなく,まもなく表面が潰瘍となる。これを硬性下疳(こうせいげかん)hard chancreという。普通は1個できるのが原則であるが,ときに2個以上発生する。男性では陰茎の冠状溝にできることが多く,次いで包皮内板,亀頭などに,女性では大小陰唇,腟入口部,腟壁,子宮頸部などに発生しやすい。陰部以外には口唇,口腔粘膜,乳房,指などに発生することがあり,これらを陰部外下疳extragenital chancreと呼ぶ。感染後4~6週には梅毒血清反応が陽性となる。このころには初期硬結または硬性下疳の発生した部位の所属リンパ節である鼠径部(そけいぶ)リンパ節が,片側または両側ともに痛みもなく,また化膿することもなくはれてくる。これを無痛性横痃(おうげん)と呼ぶ。次いで全身各所の表在性リンパ節が近くから遠隔のものへと順に痛みもなくはれていく。一方,初期硬結または硬性下疳はまもなく自然に消える。
(2)第2期梅毒secondary syphilis 感染後3ヵ月から3年までをいう。全身に梅毒トレポネマが広がり,各所の表在性リンパ節がはれるが,まったく痛みはない。梅毒性ばら疹roseola syphiliticaは第2期梅毒疹として最初に発生するもので,側胸部につめの大きさの,楕円形または円形で淡紅色の隆起のない斑点として現れる。境界は明確ではなく,自覚症状もなく,2~3週間の後に消失するが,見逃されることも多い。丘疹性梅毒疹syphilis papulosaは梅毒性ばら疹の発生後数週間遅れて発生する。発生部位は顔面,項部,体幹,外陰部,四肢で,左右対称性に生じる。アズキまたはソラマメの大きさで扁平に隆起し,鮮紅色ないし銅紅色を示す丘疹が多発する。かゆみや痛みなど自覚症状はない。丘疹性梅毒疹のうち,肛門周囲,外陰部,乳房の下面,腋窩(えきか)など分泌と摩擦の多い部位にエンドウ豆大までの扁平な浸潤性隆起が多数生じるが,その表面が湿潤するので扁平コンジローマcondylomata lataと呼ばれる。扁平コンジローマには梅毒トレポネマがたくさん存在するので,最も危険な感染源となる。膿疱性梅毒疹syphilis pustulosaは丘疹性梅毒疹より遅い時期に発生するが,発現する頻度は低い。化膿したような黄色の膿をもった発疹がたくさん顔,体,または手足にできるが,かゆみや痛みはない。梅毒性脱毛症alopecia syphiliticaもこの時期に発生する。頭髪が全体にまばらに脱落する型と,後頭部や側頭部につめの大きさの円形または楕円形の脱毛部が多数発生する型がある。このほか白斑や色素沈着などでメラニンの異常も発生し,うなじ(項)や頸,体幹の皮膚の色素が減少して,白斑となる梅毒性白斑leucoderma syphiliticumや,色素が増えて斑となる色素性梅毒疹syphilis pigmentosaが生じたりする。また第2期梅毒の粘膜の症状としては,扁桃が赤くなり,しわがれ声になる梅毒性扁桃炎angina syphiliticaと口腔の粘膜が部分的に灰白色となる粘膜斑mucous patchがある。後者にも多量の梅毒トレポネマが含まれ,しばしば感染源となる。
(3)第3期梅毒tertiary syphilis 感染後3年から10年までをいう。第3期の皮膚症状は結節性梅毒とゴム腫である。ともに傷あとを残しながら進行するが,病巣から梅毒トレポネマを見いだすことは少なくなるので感染源となることはない。結節性梅毒syphilis tuberosaは皮下にしこりが生じたのち,深い潰瘍となり,傷あとを残しながら進行する。ゴム腫gummaは皮下のしこりが筋肉から骨に達して深い潰瘍となり,噴火口のようになる。
(4)変性梅毒metasyphilis 梅毒感染から10年以後になると,皮膚や粘膜に病変が出ることはなく,内臓に病変が出現する。よく侵されるのは中枢神経系と循環器系である。中枢神経系では脳脊髄液に病的変化が認められるのみで他の症状のない無症候性神経梅毒のほか,激しい精神障害を示す進行麻痺(いわゆる脳梅毒)や,知覚障害と歩行障害を主症状とする脊髄癆(ろう)が発症しやすい。循環器系では大動脈弁閉鎖不全,胸部大動脈炎,胸部大動脈瘤が起こる。そのほか骨,関節,睾丸,眼などにも障害が出る。
病原体を直接検出する方法と,梅毒血清反応により診断する方法とがある。病原体の検出は,第1期(初期硬結),第2期(扁平コンジローマ,粘膜斑など)の病変から分泌物をとり,暗視野顕微鏡で調べたり,パーカー・インク(商品名)や墨汁で染色したものを顕微鏡で検査する。梅毒血清反応は感染後4週以降に陽性となる。牛の心臓の脂質であるカルジオリピンを抗原とする方法(脂質抗原法,STSともいう)にはガラス板法,RPR法,凝集法,緒方法など,梅毒トレポネマを抗原とする方法にはTPHA法,FTA-ABS法がある。カルジオリピン抗原法では梅毒感染以外の場合,すなわち全身性エリテマトーデスなど膠原(こうげん)病や水痘,麻疹などのウイルス感染症などのさいは陽性となる,いわゆる生物学的偽陽性biological false positive(BFP)を示すことがある。しかしTPHA法やFTA-ABS法では陰性となるので,梅毒感染のさいに陽性となる血清反応と区別できる。なお,ワッセルマン反応の語が梅毒血清反応の代名詞のように用いられているが,この方法は現在は用いられていない。
ペニシリンが最も有効である。注射療法と内服療法があるが,近ごろはアレルギー性のショックを避けるため内服療法が多く行われている。14~28日間の内服治療を1回の治療(1クール)として,症期に合わせてクールを繰り返すことがある。ペニシリンがアレルギーなどで治療に用いられないときには,エリスロマイシンやテトラサイクリンなどの薬剤による治療が行われる。
胎児が母体内の子宮で梅毒トレポネマに感染すると先天性梅毒となる。出生直後から症状が出るものを乳児先天性梅毒,学齢期以後に発症するものを晩発性先天性梅毒という。先天性梅毒は妊娠4ヵ月以後に胎盤を通じて胎児に感染するもので,妊娠後半期に早産ないし死産を生じやすく,満期に出生しても,早期先天性梅毒の症状を示すことが多い。すなわち老人のような皮膚,貧血,肝臓や脾臓のはれ,鼻炎,肺炎,骨軟骨炎などを示す。口の周囲に生じた丘疹がひくと口の周囲に放射状のあとを残すが,これをパロー凹溝Parrot's furrowという。手のひら,足のうらに水疱ができる(これを梅毒性天疱瘡(てんぽうそう)pemphigus syphiliticusという)。晩発性先天性梅毒は学童期から思春期にかけて,角膜炎,骨関節炎,ゴム腫,神経症状など晩期梅毒症状を示すものである。ハッチンソン三徴候(上顎の永久門歯が短くビール樽状を示すハッチンソン歯,実質性角膜炎,内耳性難聴)は先天性梅毒児の特徴である。先天性梅毒にもペニシリンが有効で,体重に応じて注射または内服の治療を行う。ペニシリンが使用できないときには,エリスロマイシンかテトラサイクリンによって治療する。先天性梅毒の予防には,母体の梅毒感染を早期に発見して,治療することがたいせつである。
執筆者:岡本 昭二
梅毒の起源がいずこであれ,ヨーロッパにおける梅毒は15世紀末から歴史的物証がはっきりとしてくる。その起源については,これまでヨーロッパ説とアメリカ説とがあり,長く論争されてきたが,最近はアメリカ説がほぼ認められつつある。つまり,この病気は,コロンブス一行が第1回の航海のさいイスパニオラ島(ハイチ島)からもち帰ったものである。この島の原住民のあいだでは昔からこの病気があり,コロンブス一行の船員が上陸したときこの風土病にかかり,スペインに帰航した1493年まずバルセロナ全市に流行した。翌94年,フランス王シャルル8世がイタリア遠征軍を編成したとき,各国から傭兵を募ったが,このなかにこの病気に感染したスペイン人が混じっていた。その結果,フランス軍がイタリアに進駐した翌95年,ナポリでこの疫病が暴発し,フランス人は〈ナポリ病〉,イタリア人は〈フランス病〉と呼びあった。この時代ヨーロッパはルネサンスという激動期のまっただなかであり,また戦乱に明け暮れていた時代でもあり,売春が史上最も隆盛をきわめていた。ここに突如として梅毒が侵入し,またたくまにヨーロッパ全土に広がってしまった。当時広く行われた治療法は水銀による燻蒸(くんじよう)とユソウボクの処方であり,新世界からのユソウボクの輸入を独占したフッガー家は大儲けし,同家の富は梅毒によってきずかれたとさえいわれた。
梅毒は,ヨーロッパ内陸に急速に広がったあと,大航海時代の波にのり,海をこえて東方にも非常な速度で波及していく。まずインド航路発見者のV.daガマの隊員がカリカットに上陸した98年ころにインドに運ばれ,続いてマレー半島に波及し,16世紀の初め中国の広東に達し,北上して中国全土に広がる。中国ではこれを〈広東瘡(カントンそう)〉あるいは〈楊梅瘡(ようばいそう)〉と呼んだ。
このころ明と交通していた日本にやがて梅毒が伝来するが,それは1512年(永正9)のことといわれ,はじめ関西に起こり,翌年には関東に及んだ。〈唐瘡(とうそう)〉あるいは〈琉球瘡(りゆうきゆうそう)〉と呼ばれていたことからみても,梅毒が中国あるいは琉球を経て伝来したことが推測される。ところで,日本にヨーロッパ人が初めて上陸したのは,いうまでもなくポルトガル人の種子島漂着つまり鉄砲伝来の年で,それは43年(天文12)である。梅毒の伝来はそれより30年も早い。おそらく倭寇と呼ばれる日本人を主体とする海賊集団が,南方の港々の女たちを経由して,梅毒を日本へと運んできたと思われる。ときあたかも戦国の動乱期で,この新しい侵入者はたちまち日本人を男女貴賤を問わず侵していった。戦国の武将にもこの病魔に襲われた人物が多いが,たとえば徳川家康の第2子結城秀康は梅毒のため鼻が落ち,ついに落命した。梅毒専門医になることを志した江戸後期の名医杉田玄白も,年間1000人の患者のうち700~800人は梅毒患者であった,と回想している。江戸時代の公娼制度とあいまって梅毒は広く深く淫侵し,明治になってもその勢いは衰えず,第2次大戦後になってようやく下火となった。
執筆者:立川 昭二
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梅毒トレポネーマTreponema pallidumを病原体とする性病の一種で、古くから西インド諸島に地方病として存在していた疾患。15世紀末にヨーロッパで大流行した。これはコロンブスの一行が西インド諸島からスペインに戻ったのと時を同じくしてまずスペインに流行し、1495年フランスのシャルル8世がナポリに進駐したとき、ナポリで大流行が発生して数年のうちにヨーロッパ全土に拡大した。梅毒の処女地であった当時のヨーロッパでは現在よりもはるかに急性症状を呈したものとみられ、他の流行病(疫病)と同様にみなされ恐れられた。フランス側では、スペイン人が頻繁に出入りしていたナポリにはすでに梅毒が流行していて、そこへフランスの大軍が進駐したために大流行したといい、これをナポリ病とよんだ。一方、ナポリ側では、フランス軍がヨーロッパ各地からの傭兵(ようへい)で編成されていたことから、すでに梅毒に感染していたスペイン人が含まれていたために大流行したといい、フランス病とよんで反発した。この反目を鎮めたのは、イタリアの医師で詩人でもあったフラカストロである。彼は1530年、ギリシアの美青年羊飼いシフィリスの伝記詩として『Syphilis sive Morbus Gallicus』(シフィリスないしフランス病)と題するラテン語の詩をつくり、病気の症候と水銀療法を示唆する内容を盛り込んだ。これが全ヨーロッパで読まれて、一般に梅毒はシフィリスとよばれるようになり、現在に至っている。
梅毒は第1期、第2期、第3期および変性梅毒(第4期)に大別されている。
[岡本昭二]
感染してから3か月までをいう。おもに性交による感染機会後、ほぼ3週ごろ外陰部に大豆の大きさに盛り上がった硬いしこりができ(初期硬結)、表面が潰瘍(かいよう)となる(硬性下疳(げかん))が、自覚症状はない。まもなく鼠径(そけい)リンパ節が硬く腫(は)れるが、痛みはない(無痛性横痃(おうげん))。
[岡本昭二]
感染後3か月から3年までをいう。第2期早期にみられる梅毒性バラ疹(しん)は体幹を中心に爪(つめ)の大きさの淡紅色斑点(はんてん)が多発する。バラ疹より3週間ほど遅れてできる丘疹性梅毒疹は大豆の大きさの赤い隆起で、全身の皮膚に多発するが、特殊型として手のひらや足の底に隆起となる梅毒性乾癬(かんせん)や、陰股(いんこ)部、肛門(こうもん)周囲の表面に湿潤性の扁平(へんぺい)隆起となる扁平コンジローマ(扁平コンジローム)がある。さらに3週間ほど遅れて膿疱(のうほう)性梅毒疹ができるが、それぞれの発疹は数日から数週間で消え、バラ疹、丘疹、膿疱の段階が反復されて約3年間続くわけである。膿疱性梅毒疹は全身状態が不良で抵抗力が低下した場合に出やすい。そのほか、梅毒性脱毛症や皮膚の色素が増減する色素性梅毒および梅毒性白斑がある。さらに、口腔(こうくう)粘膜が乳白色となる粘膜斑がある。
[岡本昭二]
感染後3年から10年までをいう。結節性梅毒は皮膚または皮下に結節ができるが、続いて潰瘍化して瘢痕(はんこん)を残しながら進行する。ゴム腫(しゅ)(ゴム腫性梅毒)では皮膚にゴムのような硬さをもつしこりが発生し、深い潰瘍となり、筋肉や骨のような深部組織に及ぶようになる。
[岡本昭二]
感染後10年以降に発生する。中枢神経系梅毒として、種々の精神神経症状を示す進行麻痺(まひ)や、おもに脊髄(せきずい)後索が侵される脊髄癆(ろう)がある。心血管系梅毒としては大動脈弁閉鎖不全、大動脈炎、大動脈瘤(りゅう)が発生しやすい。
[岡本昭二]
妊婦が梅毒にかかっていることをいう。妊娠後半期に胎児が早死産したり、生まれても先天梅毒児となる。
[岡本昭二]
胎児が母体の子宮内で感染したもので、出生前後に種々の梅毒症状が出る。
[岡本昭二]
梅毒トレポネーマの証明は第1期・第2期梅毒の病巣の分泌物より行う。感染後4週以降には梅毒血清反応が陽性となる。反応の種類には、ガラス板法、RPR法のほか、TPHAやFTA‐ABSなどがある。
[岡本昭二]
どの症期の梅毒でもペニシリン療法が有効である。注射でも内服でも治療効果はよい。ペニシリンが使用できないときには、エリスロマイシンその他の抗生物質による治療が行われる。
[岡本昭二]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌による慢性の全身性感染症で、症状のある
①1期梅毒
感染後3週ころに初期
②2期梅毒
感染後3カ月ころから、全身に梅毒性バラ疹、
症状のある顕性梅毒は症状が現れている部位からトレポネーマを検出することで診断が確定します。しかし、実際には潜伏梅毒がほとんどなので、梅毒血清反応検査が不可欠となります。
梅毒血清反応検査はリン脂質を抗原とするSTSと、菌体そのものあるいは菌体成分を抗原とするトレポネーマ抗原系のFTAABS(
定性検査の結果の解釈を表5に示します。治癒後も抗体は陽性となるので、抗体陽性者を治っていないと誤って解釈しないことが重要です。
梅毒ではペニシリン薬がよく効きます。治療期間は早期梅毒で4週間、晩期梅毒で8週間程度です。この場合、治療の目的はトレポネーマを死滅させることで、重要なのは梅毒血清反応を陰性にすることではないということです。
早期梅毒の症状がある場合は、早急に医療機関を受診して検査を受ける必要があります。また、セクシャルパートナーが早期梅毒患者であった場合は、感染初期は血清反応が陰性なので、3~4週間後に再検査する必要があります。
國島 康晴, 塚本 泰司
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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(星野美穂 フリーライター/2018年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(2015-4-10)
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…中世以来のペストはしだいに終息したが,これに代わる強力な伝染病がつぎつぎと襲った。15~16世紀にイギリスだけを襲った奇病,イギリス発汗熱,また16世紀以降とくに戦争の折,および平時では監獄でしばしば流行した発疹チフス,それに1493年アメリカ発見の航海から帰ったコロンブスの一行によってもちこまれた梅毒も,たちまちヨーロッパをまきこんだ。インドのベンガル地域の地方病コレラが,19世紀には6回にわたって世界的な大流行をおこした。…
…美術の領域では,絵画や彫刻のほか,ロアール河畔の城館やP.レスコの指揮したルーブル宮殿などの建築にイタリア様式が最もはっきり表れ,思想の分野では,1530年に設立された王立教授団(コレージュ・ド・フランス)を拠点とし,教会による支配に反対したユマニストたちに,イタリア人文主義の影響を見いだすことができる。さらに,1495年のシャルル8世によるナポリ占領は,以後フランス病ともナポリ病とも呼ばれることになる梅毒が,ヨーロッパ中に急速にまんえんするきっかけとなった。【林田 伸一】。…
…第1期梅毒の症状。梅毒にかかっている人との性交後約3週間で,男子では陰茎など,女子では陰唇や腟壁など,病原体である梅毒トレポネマの侵入した部位に初期硬結といわれるダイズの大きさのしこりが発生するが,まもなく表面がくずれて潰瘍となったのが硬性下疳である。…
…ドイツの原生動物学者。1905年に皮膚科学者ホフマンE.Hoffmannとともに梅毒の病原体スピロヘータ・パリダSpirochaeta pallidaを発見したことでとくに知られる。東プロイセンに生まれ,ベルリン大学で動物学を学ぶ。…
…梅毒の第4期,すなわち梅毒感染後10~20年を経過して発病するもので,脳実質が梅毒トレポネマにより侵される結果起こる精神病。ワッセルマン反応の発見(1906)により,本病が梅毒と関係することが明らかにされ,次いで1913年野口英世が本患者の脳内に梅毒トレポネマを発見するに及び,本病の原因が確定した。…
…おもに性交によって人から人へ感染していく病気の総称で,梅毒,淋病,軟性下疳(なんせいげかん)および鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(第四性病)が含まれる。俗に花柳(かりゆう)病などともいわれた。…
…日本近代皮膚科学の確立者。梅毒の伝播の研究をはじめ,医史学面でも大きな業績を残す。福井県生れ。…
…トレポネマ属には3種の病原種が含まれている。トレポネマ・パリズムTreponema pallidumは梅毒の病原体であり,トレポネマ・ペルテヌエT.pertenueは熱帯地方にみられる梅毒様疾患であるフランベジアの病原体であり,トレポネマ・カラテウムT.carateumは熱帯中南米にみられるピンタ(斑点病)の病原体である。これら3種の病原性トレポネマは形態的,血清学的によく似た近縁の種である。…
…梅毒の第2期に発生する皮疹ないし粘膜疹の一型である。梅毒に感染してから3ヵ月を経過すると第2期になるが,この症期の初めに梅毒性バラ疹が,ついで丘疹性梅毒疹が発生する。…
※「梅毒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
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