化学辞典 第2版 「アート錯体」の解説
アート錯体
アートサクタイ
ate-complex
アルミニウムやホウ素のように,電子受容性の強い元素のアルキルあるいはアリール化合物,水素化物など,一般に欠電子化合物とよばれるものと,アルカリ金属やアルミニウム,銅などのアルキルあるいはアリール化合物,水素化物,ハロゲン化物などとの反応で生じる錯イオン化合物.次に示すような例がある.
(CH3)3B + CH3Li → Li+ [B(CH3)4]-
AlRCl2 + MCl → M+ [AlRCl3]-
(R = CH3,C2H5,M = K,Na,Li)
アルキル化やアリール化剤として用いられる.還元剤としてよく知られるLi[AlH4],Na[BH4]などもアート錯体である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報