日本大百科全書(ニッポニカ) 「オリンゴ」の意味・わかりやすい解説
オリンゴ
おりんご
olingo
哺乳(ほにゅう)綱食肉目アライグマ科オリンゴ属に含まれる動物の総称。同属Bassaricyonには数種があり、中央アメリカのニカラグアから南アメリカのペルーまで分布する。頭胴長35~48センチメートル、尾長40~48センチメートル、体重950~1500グラム。体は細長く、頭部は円く、頭頂部は平らで、耳介が小さく、その先端部はとがらず、左右が離れる。顔つきは同じ科に属するキンカジュウに類似するが、尾には暗色の帯状斑(はん)があり、木の枝などに尾を巻き付けることができない。前後肢は短く、鋭いつめがある。体毛は密で柔らかく、体上面は黒と灰の混じった黄褐色、体下面は淡黄色である。低地から海抜2000メートルまでの熱帯雨林にすみ、夜行性。普通、木のこずえ付近にキンカジュウなどとともに、単独、1対、ときに群れでいる。食物はおもに果物であるが、ときには虫も食べる。樹葉、枝を集めて、樹洞に巣をつくる。1産1子。フサオオリンゴB. gabiiは体上面の色が褐色を帯び、ニカラグアからエクアドルまで分布する。
[吉行瑞子]