オレロン海法(読み)オレロンかいほう(その他表記)Rôles ou Jugements d'Oléron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オレロン海法」の意味・わかりやすい解説

オレロン海法
オレロンかいほう
Rôles ou Jugements d'Oléron

12世紀頃フランスの西海岸オレロン島を中心に行われた海事裁判所の判決を収録したもので,判例法として成立した。当時の判決は羊皮紙上に書かれ,巻いて保存されたので,「オレロン巻物」 Rôles d'Oléron,あるいは「オレロン判決」 Jugements d'Oléronと称されている。オレロン海法はフランスのみならず全ヨーロッパに広く行われ,ドイツではビスビー海法に継受され,イギリス海法の起源にもなった。

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世界大百科事典(旧版)内のオレロン海法の言及

【海商法】より

…その後,中世になると海商法は,海運業の発達とともに,海港都市を中心として発展し,当時の慣習法や判例法を収録したものがみられる。フランスのオレロン島における海事裁判所の判決を集めたものとされるオレロン海法Rôles d’Oléron(11~12世紀ころ),また当時の地中海沿岸地方に行われていた慣習法の集成で,バルセロナの海事裁判所における判例を編纂したコンソラート・デル・マーレ(13世紀ころ),そして,ハンザ同盟の海事慣習法を編纂したウィスビー海法Wisbysches Seerecht(15世紀)は,中世の三大海法と称されている。ついで近世になり,中央集権的な国家が成立すると,各国は法典の編纂を行い,まず,1681年にはルイ14世の海事勅令が最初の統一的・自足的な海事法典として制定された。…

※「オレロン海法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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