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判決 はんけつjudgement; Urteil

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

判決
はんけつ
judgement; Urteil

(1) 民事および刑事の訴訟について,裁判所の行なう裁判の一種。日本国憲法が,判決は必ず公開の法廷で行なうべきことを要求している (82条) ことから考えて,憲法にいう「判決」とは,当事者の申し立てに対する本質的な判断を意味するものと解され,訴訟法にいわれる「判決」がそれに相応するものと考えられる。民事訴訟において判決をくだすには,口頭弁論に基づき,法定の方式を備えた書面 (判決原本) をつくって,これに基づき言い渡しをすることによって成立する (民事訴訟法) 。しかし,刑事訴訟においては,判決は公判廷で宣告により告知すれば足りる (刑事訴訟法) 。ある訴訟について判決がなされ,その判決が当該訴訟手続内で取り消される可能性がなくなった場合,すなわち,その判決に対し所定の期間内に上訴がなされなかったか,あるいは上訴の手段が尽きた場合,その判決を確定判決と呼ぶ。確定判決がもつ取り消し不可能性を形式的確定力と呼ぶ。この形式的確定力を前提とし,民事判決ではその内容に応じて,既判力,執行力,形成力が生じ,刑事判決では有罪,無罪または免訴が確定する。

(2) 国際裁判所は,一審制をとることが多く,国際裁判の判決は紛争の確定的解決を意味している。国際司法裁判所では,国と国との間の係争事件に対して判決を与え,国際機関からの諮問要請に対して勧告的意見を与える。裁判所の判決は,当事者間において,かつその特定の事件について拘束力をもつにとどまる。

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デジタル大辞泉の解説

はん‐けつ【判決】

[名](スル)
是非善悪などを判断して決めること。
「豈(あに)凡傭(ぼんよう)之(これ)を―すべけん哉(や)」〈魯文・高橋阿伝夜叉譚〉
訴訟事件に対して、裁判所法規に基づいて下す最終的な判断。民事訴訟法では原則として口頭弁論を経て行われ、刑事訴訟法では公判手続きにおいて必ず口頭弁論を経て行われる裁判所の裁判。「判決を言い渡す」

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百科事典マイペディアの解説

判決【はんけつ】

裁判の一種であるが,裁判の中で最も重要なもの。原則として口頭弁論に基づいてなされ,裁判所の言渡し(民事訴訟)または宣告(刑事訴訟)によって成立する。刑事訴訟では訴訟を終了させるためにのみ用いられるが,民事訴訟では,こうした終局判決のほかに,訴訟中に争われた中間的問題を判断するためにも用いられる(中間判決)。
→関連項目一事不再理既判力決定(法律)公判三審制度執行文判決主文令状

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とっさの日本語便利帳の解説

判決

訴訟事件に対して、裁判所が法規に基づいて下す最終的な判断。民事訴訟法では原則として口頭弁論を経て判決原本を作成し、それによって言渡して成立するもの。刑事訴訟法上は、公判手続において必ず口頭弁論を経て行われる、裁判所の裁判。

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世界大百科事典 第2版の解説

はんけつ【判決】

裁判所が訴訟手続で示す判断で,決定・命令と並ぶ裁判の一種である。まず決定命令との異同を示したうえで,判決の特性を明らかにすることとしたい。
[決定・命令との異同]
 (1)裁判主体 判決と決定は,〈裁判所〉の裁判であるが,命令は,裁判長,受命裁判官受託裁判官などの〈裁判官〉の裁判である。(2)裁判前の審理 判決の場合は,原則として口頭弁論の方式がとられる(民事訴訟法87条1項本文,刑事訴訟法43条1項。

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大辞林 第三版の解説

はんけつ【判決】

( 名 ) スル
事の是非・善悪などをきめること。 「其地質の適当せるや否やを能く-するを得せしむ可し/新聞雑誌 10
裁判所が口頭弁論を経て行う裁判。民事訴訟では法定の形式による原本を作成し、当事者にその言い渡しを行う。刑事訴訟では裁判所が、口頭弁論に基づいて被告人に有罪・無罪・免訴などを言い渡す。 「 -を下す」 「 -を言い渡す」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

判決
はんけつ

裁判所が裁判の結果を示す判断の一つで、決定、命令と並ぶもの。[内田武吉・加藤哲夫]

民事訴訟における判決

裁判所が、原則として口頭弁論に基づいて、法定の方式に従った判決原本を作成し、公開の法廷で言い渡すという厳格な方法により当事者に告知する裁判をいう(民事訴訟法252条、253条、民事訴訟規則157条)。判決で裁判しなければならない事項は、通常の訴訟では、訴えや上訴の適法性、訴訟物である権利主張の当否、中間判決事項などである。そのほかに仮差押え、仮処分手続、公示催告手続において判決がなされることがある。判決は原則として口頭弁論に基づくことを必要とするから、判決する裁判所はその口頭弁論に関与した裁判官によって構成されなければならない(民事訴訟法249条1項)。ただし、口頭弁論を経ないで判決できる場合(同法78条、140条、290条、319条)がある。
 判決の言渡し後、裁判長は判決原本を書記官に交付し(民事訴訟規則158条)、書記官はその正本を作成して2週間内に当事者に送達する(民事訴訟法255条1項、民事訴訟規則159条1項)。なお、判決が法令に違反したことを発見したときは、言渡し後1週間内に限り変更の判決をすることができるし(民事訴訟法256条)、判決に計算違い、誤記、その他これに類する明白な誤りがあるときは、いつでも判決の更正ができる(同法257条1項)。また、裁判所が請求の一部について判断を脱漏したときは、追加判決をすべきである(同法258条)。[内田武吉・加藤哲夫]
種類
判決は種々な見地から分類することができる。まず、事件を当該審級において完結する終局判決と、終局判決をなす準備をし、審判を整序する目的でなされる中間判決とに区別される。終局判決には、全部判決、一部判決、追加判決などがある。訴えまたは上訴に対して、その適法性と理由具備性の判断につき、それぞれ訴訟判決と本案判決とに分けられる。本案判決は原告勝訴の場合に、その内容によって給付判決、確認判決、形成判決(創設判決)に分類される。また、その手続および主体からみた形式的分類として、裁判には、判決、決定、命令がある。それらを主体の面からみると、判決・決定は裁判所のなす裁判であり、命令は裁判長・受命裁判官・受託裁判官がその資格に基づいてなす裁判である。手続の面からみると、判決が前記のように、もっともていねいであって、より簡易な手続に基づいてなされる決定・命令と区別される。決定・命令の場合は、口頭弁論を開くかどうかは任意的であり(同法87条1項但書)、相当と認める方法で告知すれば、その効力を生ずる(同法119条)。[内田武吉・加藤哲夫]

刑事訴訟における判決

法律の認める裁判の一種をいい、事態の重大なものは判決をもってし、これに次ぐものは決定をもってし、さらに軽微なものは、命令をもってする。判決は、特別の定めのある場合を除いては、口頭弁論に基づいてこれをしなければならない(刑事訴訟法43条1項)。また判決にはかならず理由を付さなければならない。なお、判決は判事補が1人でこれをすることはできない(同法45条)。第一審の判決に対する不服申立ての方法としては、控訴、上告がある。第一審公判の判決の種類としては、(1)管轄違いの判決、(2)公訴棄却の判決、(3)免訴の判決、(4)無罪の判決、(5)有罪の判決がある。このうち、無罪の判決は、被告事件が罪とならないとき、または被告事件について犯罪の証明がないときにこれを言い渡す(同法336条)。有罪の判決には、刑の言渡しの判決と刑の免除の判決の2種類がある。被告事件について犯罪の証明があったときは、刑を免除すべき場合を除いては、判決で刑の言渡しをしなければならない(同法333条1項)。刑の執行猶予、仮納付の裁判は、刑の言渡しと同時に、判決でこれを言い渡さなければならない。保護観察に付する場合も同様である。被告事件について犯罪の証明はあったが、刑を免除するときは、判決でその旨の言渡しをしなければならない。控訴審、上告審での原判決破棄の判決、控訴棄却の判決、上告棄却の判決、非常上告での棄却の判決、破棄の判決などもある。[内田一郎]

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