グーグルブック検索(読み)グーグルブックケンサク

デジタル大辞泉 「グーグルブック検索」の意味・読み・例文・類語

グーグル‐ブックけんさく【グーグルブック検索】

Google Book Search》⇒グーグルブックス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「グーグルブック検索」の解説

グーグルブック検索(和解問題)

Googleが始めた書籍検索サービス。キーワード入力による図書検索が可能で、目次や本文ページの一部も閲覧できる。日本国内では2007年に始まった。通販大手のアマゾンも「なか見!検索」で同種のサービスを行っているが、Googleの検索サービスは世界中のあらゆる書籍を対象にするもので、パブリックドメイン(著作権の保護期間が切れた書籍など)の全文閲覧も可能にしている。Googleは04年から内外の大学図書館と提携し、所蔵書籍のデジタル化を行ってきた。同社によると、200カ国700万冊以上のデジタル化を終えているという(09年2月時点)。このGoogle Books Library Projectは、「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスし、利用できるようにする」という同社の理念に基づく。だが、著作権者の許可を得ないままデジタル化を進めたため、05年に米国出版社協会などが反発し、著作権侵害でGoogleを提訴当初、Googleはフェアユース(著作権法内の公正使用)を主張していたが、08年10月、補償金収益の一部を還元することで和解した。その合意内容は「1.Googleは書籍をデジタル化し、それを商業的に利用できる、2.Googleは、許可なく既にデジタル化した書籍について1作品あたり60ドル以上、総額4500万ドル以上の補償金を支払う。加えて、ネットで公開する書籍へのアクセス権料や広告収入など収益の63%を著作権者に支払う」などというもの。09年夏に発効する見込みだが、クラスアクション(米国の集団訴訟)による和解の効力は米国内だけでなく、著作権の国際条約ベルヌ条約」の加盟国にも及ぶため、日本を含む世界160カ国以上が適用を受ける。例えば「絶版」と見なされた日本の出版物なども、全文公開や商業的利用が可能になる。ただし、和解によるこうした閲覧は、あくまで米国内のGoogle検索サービスに限られる。09年2月以降、Google社は日本の著作権者に向けて、和解内容を雑誌・新聞等で告知するとともに、自社サイトに「Googleブック検索和解契約」ページをアップしている。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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