GoogleChrome(読み)ぐーぐるくろーむ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

Google Chrome
ぐーぐるくろーむ

グーグル社が開発・提供しているウェブブラウザ名称。Chromium(クロミウム)プロジェクトというオープンソースプロジェクトで開発されたブラウザをベースに、グーグル独自の機能を付加してつくられたもので、2008年から提供されている。2013年時点では、XP以降のWindows(ウィンドウズ)版、Mac OS X(マックオーエステン)版、Linux(リナックス)版、モバイル向けにAndroid(アンドロイド)版、機能が一部制限されたiOS版がある。

 一つのウィンドウ内で複数のページをそれぞれタブとして管理し、それを切り替えて表示できるタブブラウザの一つである。特徴としては、動作が軽快で、各タブがそれぞれ独立して動作する(サンドボックス方式という)ため、タブの一つがクラッシュしても他のタブに影響がないなどの安定性があげられる。また、URLの入力・表示用ウィンドウが検索ウィンドウとしても使える「Omnibox(オムニボックス)」機能や、新しいタブを開くと「よくアクセスするページ」や「アプリケーション」を表示する機能、「最近閉じたタブ」の一覧表示機能など、使用時の快適性を高めるくふうがなされている。セキュリティ対策としては、履歴やCookie(クッキー)を残さない「シークレットウィンドウ」機能や、悪意のあるサイトからの保護機能などを備える。

 最大のポイントとして、機能やアプリケーションの追加が容易であることがあげられる。Gmail(ジーメール)(Webメールサービス)やGoogleカレンダー(スケジュール管理ソフト)、Googleドライブ(オンラインストレージ)など、グーグルが提供するウェブアプリケーションなどをブラウザーの追加機能として取り込み、連携することができる。また、Chromeウェブストアという専用サイトから、サードパーティとよばれるグーグル以外の他社が提供するアプリケーションも、簡単にダウンロードしてインストールすることができる。

 さらに、Googleアカウントを利用することで、これらの機能や情報を複数のパソコンタブレット端末などで共有することができるようになっている。たとえば、パソコン版のChromeにあるブックマークをタブレット端末でそのまま利用したり、タブレット端末版のChromeの最終アクセス記録をパソコン版のChromeで確認するなどのことができるようになっている。そのため、タブレット端末や小型ノートPCなどのモバイル環境での利用も多い。

 なお、インターネットのプライバシーを考える団体などから、Google Chromeを通じてグーグル社にウェブの閲覧履歴などのユーザー情報が蓄積されるおそれがあるという懸念が表明されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini の解説

Google Chrome

米国のGoogle社が開発・無料配布しているウェブブラウザー。2008年12月に初の正式版がWindows XP/Vista向けに公開され、10年5月にはMacOSX版とLinux版が公開された。12年には、Android版とiOS版をリリースしスマートフォン市場にも参入した。ユーザーインターフェースがシンプルで、動作が軽い・速い、機能の追加・増強がしやすい、最新のWeb技術・サービスが利用しやすいといった特徴がある。導入ユーザーは急速に増え続けており、14年4月時点で、全世界のデスクトップウェブブラウザーとしてのシェアは「Internet Explorer」(57.9%)に続き2位(17.9%)。ウェブブラウザー全体では13年頃よりシェア1位になったとされる。

(2014-5-12)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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