日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミューター機」の意味・わかりやすい解説
コミューター機
こみゅーたーき
commuter aircraft
大都市と周辺中小都市とか中小都市相互、あるいは大都市周辺の空港相互間といった短い路線で、定期または不定期の旅客輸送に用いられる20~30人乗り程度の小型旅客機。コミューターとは定期通勤者の意味で、そのように安易に使用される輸送体系をいう。規制が緩められて小規模の航空会社でも定期旅客輸送事業ができるようになったこと、大手の航空会社が燃料費の高騰を理由に近距離不採算路線の運航を廃止したり削減したことから、1975年ごろからまずアメリカで発達した。その後世界各国に波及して、コミューター機の需要はしだいに増大する傾向にある。日本では1983年(昭和58)に発足した日本エアコミューター社が奄美(あまみ)四島の離島路線で19人乗りのドルニエ228を運航開始、現在はSAAB340B(36人乗り)が全国19空港に就航している。なお使用機の大部分は30人乗り程度の経済性の高い双発ターボプロップ機で、前記のほかDHC‐8、ビーチクラフト1900、ATR‐42、EBM‐120ブラジリアなどが世界各国で使用されている。
[落合一夫]