…ところが1860年ころから脈波記録法によって間接的に血圧を知る方法が行われるようになった。96年にイタリアの小児科医リバ・ロッチScipione Riva‐Rocci(1863‐1937)が,上腕に巻いた脈波測定用カフを用いて血圧を測ることを始め,さらに1905年にはロシアの外科医コロトコフNikolai Korotkovがカフと聴診器を用いて血圧測定を行い,動脈の雑音(コロトコフ音)を聴いて血圧を間接的に知る方法を発表した。これが現在広く用いられている血圧測定法である。…
…前者は圧力によってもたらされる金属板の偏位が電気的にコンデンサーとして働くような電気回路をつくり,これを応用したものであり,後者は圧力の変化を弦線のひずみに変え,これによって起こる電流の変化を記録するようにしたものである。
[水銀血圧計]
臨床で最も広く用いられている血圧測定法は,上腕に圧迫帯のカフcuff(マンシェットManschetteともいう)を巻きつけ,その遠位部の上腕動脈に聴診器を当て,カフ圧の低下とともに聴取される血管雑音(コロトコフ音)を聴いて測定する方法である。この方法では,上腕に巻いたカフの内圧から間接的に血圧を測定するのであるが,カフに連動してその内圧を知るために一般に用いられ,また標準とされているのが水銀血圧計である。…
※「コロトコフ音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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