サードウエーブコーヒー

共同通信ニュース用語解説 「サードウエーブコーヒー」の解説

サードウエーブコーヒー

米国発の3番目に大きなコーヒーブーム。豆の産地焙煎ばいせん、抽出方法にこだわるのが特徴。一般家庭にコーヒーが普及した1960年代ごろまでがファーストウエーブ(第1の波)。セカンドウエーブ(第2の波)はカフェラテ人気を背景に「スターバックス」などのシアトル系と呼ばれるチェーン店が拡大した90年代後半を指す。

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知恵蔵 「サードウエーブコーヒー」の解説

サードウェーブコーヒー

米国のコーヒーブームのうち3回目に当たる潮流のこと。1990年代後半から始まり、高品質なコーヒーの提供を特徴とする。2002年創業のブルーボトルコーヒーなどは、生産国での豆栽培や淹(い)れ方にこだわりを持ったコーヒーであるとし、日本市場での展開を試みている。
サードウェーブを呼号する人々によると、米国での第1波のコーヒーブームは19世紀後半で、コーヒーの大量生産が可能となり、家庭などに広く普及した時期だという。このころ米国で主流のコーヒーはいわゆるアメリカンとされる、浅煎(い)りの豆を粗挽(あらび)きしてパーコレーターで煮出したような、酸味の強い飲み物だった。第2波は1970年前後で、シアトルコーヒーなどと称される、深煎りの豆を細挽きしてエスプレッソマシンで抽出したコーヒーにたっぷりのミルクを添えた飲み物が流行した。90年代後半になって、高品質なコーヒーを求める消費者に応えたのが第3の波、サードウェーブだという。
元々米国でもコーヒーの銘柄が全く無視されていたというわけではないが、一般には生産国を目安に適当にブレンドされた程度のものが多い。これに対して、サードウェーブでは高級ワインのように特定農園を指定したり、その味わいを引き出す淹れ方をしたりという、高価格でこだわりの強いものとなる。おおむねは中庸の中程度の煎り方、挽き方で、ハンドドリップやサイフォンなどで1杯ずつ淹れる。
サードウェーブコーヒーの旗手とされるサンフランシスコのブルーボトルコーヒーは、2015年2月に日本再進出を果たし、東京の清澄白河に焙煎(ばいせん)も行うカフェを開店青山など各所に出店を計画している。そもそも同社がこのようなコーヒー提供を始めるに当たっては、日本の喫茶店などの大衆的ながらも優雅で嗜好(しこう)性の高いコーヒー文化が念頭にあり、店舗環境も影響を受けているという。日本でも、業界関連企業などによる日本スペシャルティコーヒー協会が設立され、優良な豆を使った更に付加価値の高いコーヒーの提供を目指す流れが強まっている。

(金谷俊秀 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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