…〈柝〉は,幕明き,幕切れ,道具替りのきっかけなどを知らせる合図である。同時に,俳優の楽屋入りを告げる〈着到(ちやくとう)〉や,楽屋内に開幕を知らせる〈二丁〉,道具の転換をつなぐ〈ツナギ〉などには定まった打ち方をする。〈柝〉は,観客,俳優その他すべての劇場関係者に対する進行状況の告示を本来の役割とするものである。…
…打ち合わせる面をかまぼこ形に削ったものもある。 歌舞伎では,時間・物事の節目を示し,〈知らせ〉〈きっかけ〉〈ツナギ〉の用法がある。知らせは,全俳優の楽屋到着を知らせる鳴物〈着到(ちやくとう)〉の最後に打つ〈着到止め〉に始まり,舞台を飾り終わった開幕10分前に3階楽屋への上り口で二つ打つ〈二丁〉,開幕前に役者の集合を促すための〈廻り〉(頭取部屋,囃子部屋,小道具部屋,大道具部屋,以前は3階,2階の楽屋をも回って打った),舞台と役者を点検してチョンチョンと柝を打って開幕合図をする〈直し〉,鳴物に合わせて柝を刻んで幕を明け,明けきると〈止め柝〉で芝居にかかる。…
…それが忌の観念の変化から一般弔問者も喪家で食事をとるようになり,中には煙絶ち,鍋止めと称し全村が共食するところもあるが,葬儀が盛大になるにつれて近親者による多量の香奠も生まれ,また葬費を分担する意味をもつに至ったものと説かれている。なお一般弔問者のうち村内居住者の村香奠をツナギ,ツラヌキ,ヌキとよぶ地方が多いが,これは銭緡(ぜにざし)に穴銭を通す意であり各戸同額の拠出を示している。また贈与された半額程度の品を返礼する香奠返しの習俗は,都市部では一般的であるが,いまだ行われていない地方も広く,農村部にみられる喪家主催の忌明けの共食の宴から派生した習俗といわれている。…
…〈序〉ともいう。また,〈マクラ〉というほどの独立性がない場合,〈ツナギ〉ということもある。【平野 健次】(2)寄席用語としては,落語のはじめに客の気分をほぐし,噺(はなし)の雰囲気を出すために話す小咄(こばなし)や雑談の類をいう。…
…公正な価格形成が取引所の機能の第1点である。次いで先物取引に関しては将来の価格までが形成される結果,生産,流通のめどが立てやすくなるほか,先行きの価格変動から身を守るためのヘッジ(保険つなぎ)の取引が可能になる。さらに一定の資格をもつ市場への直接参加者を通じて自由な競争価格形成の場に参加することにより,投資,投機の機会が一般に広がるという点がある。…
※「つなぎ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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