トムとジェリー(読み)とむとじぇりー(その他表記)Tom and Jerry

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トムとジェリー」の意味・わかりやすい解説

トムとジェリー
とむとじぇりー
Tom and Jerry

アメリカ漫画(アニメーション)映画のヒット・シリーズ。猫のトムに追われ、いじめられる鼠(ねずみ)のジェリーが、一転してトムをやっつけるという基本パターンに盛り込まれた、さまざまな反撃ギャグが見ものである。ときとしてサディスティックなまでのどたばたと対照的な、キャラクターの愛らしさが大いに受けた。元来は劇場用短編で、MGMで1940年から67年までに158本が製作された。日本でも33本が上映されたが、人気が一般化したのは1964年(昭和39)のテレビ放映からである。158本の内訳は製作順に、ウィリアム・ハナWilliam Hanna(1910―2001)とジョゼフ・バーベラJoseph Barbera(1911―2006)のコンビ演出が114本、ジーン・ダイチ10本、チャック・ジョーンズ21本、その他13本(リメーク、再編集版を含む)だが、ハナ&バーベラ作品が圧倒的におもしろく、アカデミー賞受賞の7本もすべてこのコンビのものである。

[森 卓也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のトムとジェリーの言及

【アニメーション映画】より

…一方,ディズニーのほうは,さらに《シリー・シンフォニー》の集大成である空前の長編《ファンタジア》(1940)で世界最初のステレオ・サウンドを使用,音楽と動画の融合という壮大な野心作を完成する。 第2次世界大戦が始まろうとする1930年代末から40年代にかけて,ウォルター・ランツ製作の《ウッディ・ウッドペッカー》(1940‐72),ウィリアム・ハンナとジョゼフ・バーベラ演出の《トムとジェリー》(1940‐58),ロバート・マッキンソン,チャック・ジョーンズ,フリッツ・フリーレングらの演出による〈ワーナー漫画〉の《バッグス・バニー》(1938‐64),《ロードランナー》(1949‐68)等々,ほのぼのとしたディズニー漫画とは打って変わって猛烈な暴力性,破壊性をもち込んだ短編アニメが隆盛を極め,〈ハリウッド・カートゥーン・コメディ〉(ドタバタ漫画)の黄金時代を迎えた。この傾向はついにディズニー作品(《ドナルド・ダック》シリーズなど)さえもまき込んで50年代まで続く。…

※「トムとジェリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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