化学辞典 第2版 「トリチオアンチモン酸塩」の解説
トリチオアンチモン(Ⅲ)酸塩
トリチオアンチモンサンエン
trithioantimonate(Ⅲ)
MⅠ3SbS3型の SbⅢのチオ酸塩.オルト酸塩ともいう.SbⅢのチオ酸塩には,このほかにMⅠSbS2型のメタ塩や,MⅠ2Sb4S7などのポリ酸型のものがあるが,これらの構造は不明確である.MⅠ3SbS3(M = アルカリ)は,水溶液中で硫化アルカリ金属塩とSb2S3との反応で得られ,さらに各種金属塩との複分解で,ほかの金属塩も得られる.また,濃紅銀鉱(pyrargyrite)Ag3SbS3は,三方両すい型のSbS33-イオン結合型構造.Sb-S約2.45 Å.水に対して,アルカリ金属塩は易溶,重金属塩は難溶.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報