化学反応の一形式.2種類の物質が作用してその成分を交換し,あらたに2種類の物質を生じること.
ここで,A,B,C,およびDはそれぞれ原子または原子団を表す.工業的には,酸,アルカリによる酸化物や塩の浸出,分解,塩-塩複分解など重要な例が多い.塩-塩複分解は原系と生成系の溶解度差を利用するから,重量分析反応にも適用される.
例:AgNO3 + NaCl → AgCl + NaNO3(Cl- 定量)
FeO + H2SO4 → FeSO4 + H2O(鉄鋼酸洗)
NaCl + NH4HCO3 → NaHCO3 + NH4Cl
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
2種の塩類が互いに成分イオンを交換して新しい塩類を生じる反応。たとえば、塩化ナトリウムと硝酸銀から、硝酸ナトリウムと塩化銀の生じる反応である。
NaCl+AgNO3→NaNO3+AgCl
一般にAB+CD―→AD+CBの形式をとる反応を複分解というので、有機化学におけるエステル化、あるいはエステル交換反応までを含めることもあるが、通常は無機塩類にのみ限られる。生成物質の一つが沈殿となって除かれる場合には反応の進行が容易となる。ソルベー法における重炭酸アンモニウムと塩化ナトリウムからの炭酸水素ナトリウム(重曹)の合成など、まさに複分解の利用である。
[山崎 昶]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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