デジタル大辞泉 「ナノナイフ」の意味・読み・例文・類語 ナノ‐ナイフ(NanoKnife) 腫瘍を挟み込むように挿した針の先から高電圧の直流電流を極めて短時間流すことで、癌細胞にナノメートル程度の小さな穴を開けて死滅させる治療法。正式名称は不可逆電気穿孔法(IRE)。癌が重要な生体組織と絡み合って容易に切除できない場合などに実施される。商標名。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
知恵蔵mini 「ナノナイフ」の解説 ナノナイフ がんに対する局所的な物理療法の一つ、またはそれを行う治療器機のこと。不可逆電気穿孔(せんこう)法=Irreversible Electroporation(IRE)。がんを取り囲むように外径1ミリほどの針を2~6本刺し、3000ボルトの直流電流を1万分の1秒流すことによって、がん細胞にナノサイズ(1ナノメートル=10万分の1ミリメートル)の小さい穴を開け、がん細胞をアポトーシス(細胞死)させる。これまでのがんに対する局所療法(塞栓(そくせん)療法、ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法)に比べ、治療適応範囲が拡大し安全性も向上している。米国では2008年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の医療器承認を取得しており数千の実施例がある。ヨーロッパでは欧州の医療器認証を取得し約1000例の治療が行われ、台湾・香港・オーストラリアでも始められている(14年3月現在)。日本では、14年2月に東京医科大学病院消化器内科により、日本で初めて肝がんに対するナノナイフの臨床研究としての治療が行われ成功した。 (2016-2-26) 出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報