日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメコバチ」の意味・わかりやすい解説
ヒメコバチ
ひめこばち / 姫小蜂
昆虫綱膜翅(まくし)目寄生バチ群ヒメコバチ科Eulophidaeに属する昆虫の総称。体長1.5ミリメートル前後の微小な昆虫で、カイガラムシその他の昆虫に寄生して生活する。おもに一次寄生をするが、ときに二次寄生(一次寄生バチに寄生)をする種類も知られている。ゴキブリの卵に寄生するゴキブリコバチ属Tefrastichusはほぼ世界中に広く分布する。
ツヤコバチ科Aphelinidaeはヒメコバチ科に含められ、その1亜科として扱われる場合もある。柑橘(かんきつ)類の害虫ヤノネカイガラムシに寄生するキイロコバチ属Aphytis、ミカントゲコナジラミに寄生するシルベストリコバチ属Prospartella、リンゴの害虫リンゴワタムシに寄生するワタムシヤドリコバチ属Aphelinusは、いずれも有名な益虫である。
[平嶋義宏]