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益虫 えきちゅうbeneficial insects

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

益虫
えきちゅう
beneficial insects

人間生活に直接,間接に利益を与える昆虫を益と称する。これに対し,損害を与える昆虫を害虫と称する。益虫にはミツバチ,蚕のようにその生産物が直接人間の役に立つものと,天敵のように害虫を駆除して間接に人間の役に立つものがある。前者を有用昆虫といい,後者を有益昆虫という。幼虫は農作物の害虫でも,成虫は花粉媒介を行う益虫と考えられる昆虫も多く,益虫,害虫というのは便宜的な呼称であって,スズメを,ときに益鳥,ときに害鳥ということなどと同様に,固定的なものではない。

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デジタル大辞泉の解説

えき‐ちゅう【益虫】

人間の生活に直接・間接に利益をもたらす昆虫。一般に、害虫防除に役立つ寄生蜂やトンボ・カマキリ、花粉を媒介するミツバチなどをいう。⇔害虫。→有用昆虫

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百科事典マイペディアの解説

益虫【えきちゅう】

人間生活の側からみて有用・有益な昆虫およびその他の虫類をいう。害虫に対する。便宜的な呼び名で,絶対的なものではない。カイコ(絹糸),ミツバチ(蜂蜜(はちみつ)・蜜蝋(ろう)),ラックカイガラムシ(シェラック)等のように直接に有用な生産物を供する有用昆虫と,花粉の媒介や害虫の天敵として間接的に役だつ有益昆虫に分けられる。
→関連項目アザミウマ益鳥ガ(蛾)カイガラムシ昆虫タマバチナナホシテントウハエ(蠅)ハチ(蜂)ヒラタアブ

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世界大百科事典 第2版の解説

えきちゅう【益虫】

人間生活のために役にたつ昆虫を益虫と呼ぶ。これは害虫と同様にきわめて人為的な分け方で,利用の程度が時代によって変化するために評価も変わる。例えば作物害虫を捕食する天敵は益虫だが,その作物が栽培されなくなると益虫という評価も消えてしまう。つまりその時代の生活への貢献度によって人間が一方的に与えた呼名で,主観的かつ相対的なものであるといわざるをえない。益虫は三つに大別できる。
[害虫の防除]
 一つは害虫の防除に役だつ捕食性または寄生性の昆虫である。

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大辞林 第三版の解説

えきちゅう【益虫】

人間の生活に直接・間接に益をもたらす昆虫。生活に必要な物を生産するカイコ・ミツバチなど、害虫を捕食するトンボ・カマキリなど、受粉の助けをするチョウ・ミツバチなどをいう。また、成長の時期によって、害虫が益虫になるモンシロチョウなどもあり、便宜的な分類である。 ↔ 害虫

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

益虫
えきちゅう

人間にとって直接または間接に役だつ昆虫の呼称で、害虫に対する語。利用方法により有用昆虫と有益昆虫に分けることができる。有用昆虫のうち、昆虫自体を利用するものに、マメハンミョウを乾燥した薬用のカンタリスをはじめ、イナゴやクロスズメバチ(ジバチ)の幼虫の食用があり、タイではタガメをスパイスとして食用としている。台湾やブラジルでは、チョウのはねやタマムシなど美しい昆虫が装飾用工芸品に利用されている。また、学術研究用にイエバエやショウジョウバエなどは欠かせない昆虫である。鳴き声を楽しむためのスズムシやキリギリス、子供の愛玩(あいがん)動物として販売もされているカブトムシやクワガタムシなども商品価値がある。カイコ(生糸)、ミツバチ(蜂蜜(はちみつ))、ラックカイガラムシ(ラッカー)、フウサンやクスサン(テグス)などは、その生産物が有用である。
 有益昆虫は、間接的に人間に役だつ昆虫のことで、生態学的には多くの昆虫が人間の気がつかないところで多くの益をもたらしているものと思われる。その顕著なものに、ハナバチ、ハナアブなどの花粉を媒介する昆虫があるほか、害虫の天敵となるヤドリバチやヤドリバエなどの寄生昆虫。害虫を食べるテントウムシなどの捕食昆虫。雑草を駆除するハムシなどの昆虫があげられる。[倉橋 弘]

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