世界大百科事典(旧版)内のホフマン,Roaldの言及
【ウッドワード=ホフマン則】より
…ある種の有機化学反応の熱光選択性(熱で起こるか光で起こるか)および立体選択性(生成物の立体化学がどうなるか)を説明または予測するための量子化学的法則。1965年アメリカのR.B.ウッドワード(1917‐79)とR.ホフマン(1937‐ )は,それまで説明のつかなかった有機化学反応の諸現象,すなわち,(1)熱によってしか進行しない反応もあれば光の影響下でしか進行しない反応もあること,(2)反応によっては立体選択性の高い生成物が得られ,しかも熱反応と光反応でその立体化学がしばしば異なること,などに対して分子軌道論に基づく説明を与えた。分子軌道の対称性に関係する理論であることから軌道対称性保存則とも呼ばれる。…
【化学】より
…ヒュッケル分子軌道法に始まって,拡張ヒュッケル法や福井謙一(1918‐ )のフロンティア軌道理論が提出され利用されるようになった。1965年ウッドワードR.B.Woodward(1917‐79)とホフマンRoald Hoffman(1937‐ )はπ電子系での協奏的熱反応が起こるか否かは反応点においてフロンティア軌道の係数の符号が合致するか否かで決まるというウッドワード=ホフマン則(1965)を提出した。この法則は,それまで理解しがたかった不飽和化合物の熱反応・光反応を理解するのにきわめて強力な武器となった。…
【有機化学】より
…しかしこれらは天然物としては比較的簡単なアルカロイドのなかでも飛び抜けて簡単なものであった。A.W.vonホフマンの弟子であったW.H.パーキンが一獲千金を夢みたキニーネの合成が実現するのは彼の没後の1944年のことであった。困難は二つの点にあった。…
※「ホフマン,Roald」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」