モリブデンブルー

化学辞典 第2版 「モリブデンブルー」の解説

モリブデンブルー
モリブデンブルー
molybdenum blue

Mo酸塩水溶液を酸性にして,これを Sn,SO2,ヒドラジン,H2Sなどで還元すると得られる Mo,Mo混合酸化物水酸化物と考えられる物質.Mo塩の部分酸化でも得られる.一般にコロイド状で,水に不溶の固体.結晶が得られていないので,構造の詳細は不明.さらに,Mo,Moの中間酸化数の濃青色の酸化物,ポリ酸なども含めることもある.ヘテロポリ酸から得たものはヘテロ原子も含むので,ヘテロポリブルーとよぶこともある.Moの平均価電は+6より小さい.青色はMo-Mo間の電荷移動によると考えられる.リン酸塩と Mo酸塩の酸性水溶液を還元すると生成する820~830 nm に吸収極大をもつ濃青色化合物は,ヘテロポリブルーの例である.リン酸,ケイ酸の定量・定性分析のほか,Sb,Snなどの分析にも利用される.[CAS 66771-43-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android