…粘性が無視できて摩擦によるエネルギーの散逸がない完全流体では,外力が非回転力(保存力)であるような場合には,渦のない流体部分から新しく渦ができることはなく,またいったん生じた渦は決して消滅することはない。これをヘルムホルツの渦定理,またはラグランジュの渦定理という。しかし実際には,粘性のきわめて小さい流体でも,物体面に角があったり,流速がある限度を超過したりすると,境界層が物体面からはがれて流れの中に渦が現れることになる。…
※「ラグランジュの渦定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」