改訂新版 世界大百科事典 「レワニカ」の意味・わかりやすい解説
レワニカ
Lubosi Lewanika
生没年:1845ころ-1916
南部アフリカのザンビア西部(バロツェランドBarotseland)に存在したロジ王国Lozi Kingdomの王(在位1878-1916)。初代王ムランブワの孫に当たるが,レワニカが生まれたころ王国はコロロ族のセベトワネ王の占領下にあり,10歳前後で父と南のコロロ地方に移り住んだ。しかしロジ王国は1864年シポパにより再興され,レワニカは78年6代目の王に推挙された。王位に就いた彼にはコロロとの紛争,地域首長の割拠,ヨーロッパ人の来往など解決すべき難問が山積していた。84年反乱を起こした首長たちによって退位させられたが,忠誠な軍隊がこれを鎮圧するとともに翌年復位し,以後〈統一者〉と称して外は他部族の侵略を阻止し,内は王位の安泰をはかった。そのためにはむしろイギリスの保護の下に入る方が得策と考え,90年イギリス南アフリカ会社との協定に進んで署名した。その結果王権は制約されたが,キリスト教伝道団を通じて西欧的教育の導入をはかり,自国の近代化につとめた。
執筆者:星 昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報