ロム・アルメ(その他表記)L'homme armé

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロム・アルメ」の意味・わかりやすい解説

ロム・アルメ
L'homme armé

15世紀のフランスシャンソン曲名フランス語で「武装した人」の意。その旋律が,しばしば多声ミサ曲の定旋律として取入れられて「ミサ・ロム・アルメ」と呼ばれ,15~17世紀の多くの作曲家により 30曲以上も作曲された。

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世界大百科事典(旧版)内のロム・アルメの言及

【定旋律】より

…定旋律の第2のタイプはそれぞれの時代に流行した俗謡あるいは多声シャンソンの一部で,デュファイのミサ曲《顔が青ざめているなら》(1450ころ)以来,15世紀後半から16世紀にかけて多数のミサ曲にその例を見ることができる。俗謡《ロム・アルメL’homme armé(戦士)》は特に好まれ,デュファイ,ジョスカン・デ・プレ,オケヘムなど,15~16世紀の30以上のミサ曲に定旋律として用いられた。第3にプロテスタントのコラールも17~18世紀にドイツの教会用声楽曲とオルガン曲に登場し,ブクステフーデやJ.S.バッハなどの楽曲で定旋律として用いられている。…

【編曲】より

…15世紀前半のドイツの世俗歌曲を収めた写本《ロハマー歌曲集》を鍵盤曲に編曲したパウマンKonrad Paumann(1415ころ‐73)の《オルガン奏法の基礎》(1452)は有名で,14~16世紀のこのような鍵盤楽器やリュートに合わせた歌曲の編曲形態をとくにインタボラトゥーラintavolatura(イタリア語)と呼ぶ。また,世俗曲の旋律がミサ曲の定旋律にしばしば用いられて,とくに《ロム・アルメL’homme armé》の旋律はデュファイ,ジョスカン・デ・プレらによって取り入れられた。バロック時代において編曲は新たな意義をもつに至る。…

※「ロム・アルメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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