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ケトン食 けとんしょく

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知恵蔵2015の解説

ケトン食

食事療法の一つで、摂取エネルギーの60~90%を脂肪で摂るというもの。糖・炭水化物の摂取を極端に減らすことにより、体内でエネルギー源として通常使われている糖が枯渇し、代わりに脂肪が分解されてケトン体が生じ、これをエネルギー源として利用する。小児の難治性てんかんに有効であるとされて欧米で普及。日本でも、てんかん発作を抑える治療の一環として徐々に取り入れられるようになってきた。イギリスアメリカで小児のてんかん患者に対して行われた二重盲検試験でも、発作の頻度が下がることが確認されている。
ケトン食栄養バランスは、一般的に理想とされている炭水化物50~60%、脂質20~25%、残りがたんぱく質等(厚生労働省日本人の食事摂取基準2010年版」)というものとは大きく異なる。そのためケトン食の実施で高脂肪、高たんぱく状態となり、患者がもともと重度の糖尿病などを持っていると持病の悪化を招く恐れがある。また、子どもにおいては身体の成長に影響を及ぼす可能性もあることから、適応かどうかの判断は専門医が行う必要がある。
食事内容は、生クリームバターなどを多用して肉や魚などたんぱく源となる食材を調理することで必要なカロリーを確保。一方で、パン、ご飯、パスタなどの炭水化物や、砂糖、果物など糖分を多く含む食品は摂取を厳しく制限する。この際、水溶性の栄養素であるビタミンB群ビタミンCカルシウム、食物線維の不足に気をつけなければならない。現在では、医師が治療上の必要を認めた場合に供与される特殊ミルク(ケトンフォーミュラ)や、ケトン食用の補助食品も開発されており、これらを利用することも多い。
もとは古来から絶食でてんかん発作が減るとされてきたことがヒントになって、1920年代からアメリカで研究が始まった。現在はアメリカのジョンズ・ホプキンス大学が作成した方法が用いられることが多い。また、ケトン食を改良して、小児の成長を妨げないことを主な目的としてカロリー制限を行わない「アトキンス食」も開発されている。

(石川れい子  ライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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