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コミュニケーション的行為 コミュニケーションてきこういkommunikativ Handeln

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コミュニケーション的行為
コミュニケーションてきこうい
kommunikativ Handeln

ドイツの哲学者 J.ハーバーマスの用語で,行為者が相互に言語的に了解し合うことによって,行為を相互主観的に調整していくために用いる合理性 (=コミュニケーション的合理性) に基づく行為を指す。この合理性は目的合理性に還元しえず,了解志向的行為である。

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知恵蔵の解説

コミュニケーション的行為

現代ドイツの社会哲学者ハーバーマスの用語。権力や貨幣といった何かの力によって相手の意思決定に影響を及ぼそうとする「戦略的行為」とは異なり、自分が表明する考えや意思の内容自体に対して、相手の自由な納得と承認を求める行為のことをいう。例えば「水をもってきてください」と教授が学生に頼むとき、それが権力関係にもとづく脅しでなくコミュニケーション的行為であるとする。その際には、「水が近くにあるはずだ」(真理性)、「私の発言は命令ではなくお願いであるから、不当な行為ではない」(規範の正当性)、「私は正直な気持ちを語っていて、そこにウソはない」(主観の誠実性)という3つの点について、暗々裏にその正しさを主張し相手の納得を求めているといえる。だから相手は、そのどれかに納得できないときには反論し議論することができる。こうしたコミュニケーション的行為の重要性をハーバーマスが主張するのは、人間同士が自由に考え納得しつつ互いの関係を作り上げていく可能性を求めるからであり、その点で彼は、近代が求め闘ってきた自由の理想を継承しようとする。その姿勢はまた、「どこにも真理などない」と考える傾向のあるポストモダン思想に対して、絶対的な真理とはちがう「合意されるかぎりでの真理」を、積極的に擁護することになる。

(西研 哲学者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

大辞林 第三版の解説

コミュニケーションてきこうい【コミュニケーション的行為】

ハーバーマスの社会理論における社会的行為の一類型。結果志向的な合理的行為とは対照的な、行為者相互間の主観的な了解を指向する行為。

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