…客席10以下の軽飛行機に属するものから60席程度のものまで各種あるが,多くは双発のプロペラ機である。このような輸送機は昔からあったが,1960年代にアメリカで,各地方の小都市への短距離航空輸送が,大きい本格的な輸送機では旅客が少なすぎて採算が取れないところから,小型機による簡易な定期航空輸送業を政府が認め,これをコミューターと呼んだのが現在の語源である。当時の使用機は最大19席だったが,72年に機材の枠が30席まで広げられ,その後50席台の機材も使えるようになって,民間航空輸送の底辺として発展し,これに適するコミューター輸送機の開発生産や運航が,アメリカ以外の国でも盛んになった。…
…しかし都市への人口集中がすすむにつれて,都市は職場地域と居住地域に分化しながら膨張し,従来の職住近接型の徒歩や自転車通勤圏からあふれ出た人々は郊外居住地域やニュータウンに居住し,バス,鉄道などの公的大量輸送交通機関を利用して通勤することが,都市社会の特徴となってくる。このような階層をアメリカでは通勤定期券階層(コミューターcommuter),日本では通勤サラリーマンと呼んでいる。都心業務地を目的地とする通勤者の居住する圏域を通勤圏commuter beltといい,この圏域は都市への人口集中と交通機関の増設,スピードアップ等によって拡大していく。…
※「コミューター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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