日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハーバード大学天文台」の意味・わかりやすい解説
ハーバード大学天文台
はーばーどだいがくてんもんだい
Harvard College Observatory
アメリカ東部、ボストン郊外のハーバード大学にある付属天文台。1840年に設立され、アメリカではもっとも古い天文台であり、ピッカリング、シャプレーらによって恒星の光度測定、銀河構造の研究などが進められた。とくに当時始まったばかりの写真技術を使って、星のスペクトル分類を行い、20万個の星を分類した『ヘンリー・ドレーパー星表』は現在もよく使用される。近年、地上観測が困難になり、気球や人工衛星を使った観測がおもに行われている。1973年以来、スミソニアン天体物理天文台Smithsonian Astrophysical Observatoryとあわせ、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターHarvard-Smithsonian Center for Astrophysicsとよばれている。
[磯部琇三 2015年5月19日]